フランスのスーパーには、牛乳やヨーグルト、生クリーム、バター、チーズなど、さまざまな乳製品が並んでいます。特にチーズやヨーグルト売り場は広く、日本では見かけない種類も多いため、初めて見ると驚く人も多いでしょう。
しかし、フランス語の名前や分類が複雑で、「どれを選べばいいの?」「種類の違いがわからない」と迷ってしまいますよね。
この記事では、フランスの代表的な乳製品の種類や特徴を、フランス語名とともにわかりやすく解説します。
フランスと日本の牛乳の違いとは?
フランスと日本の牛乳の種類・殺菌法について解説します。日本で牛乳は冷蔵庫に保管されて販売されているのが一般的ですが、フランスでは常温で保存できる牛乳が多くを占めています。

フランスの牛乳
ラベルの色による牛乳のタイプ
フランスで販売されている牛乳は、ボトルに貼ってあるラベルの色で牛乳の種類が分かるようになっています。
- 黄色:生乳(lait cru)のことで、乳脂肪が1リットル当たり30〜70g含まれています。
- 赤色:全乳(lait entier)のことで、1リットル当たり脂肪分は36gです。
- 青色:demi-écrémé のことで、クリーム分を半分分離したものを指します。低脂肪牛乳に似ています。
- 緑色:écrémé のことでクリーム分を取り除いた牛乳のことで、無脂肪牛乳のことです。
製菓や料理には基本的には全乳をつかいますが、好みや料理の種類によっては低脂肪・無脂肪牛乳を使うこともあります。
フランスの牛乳の種類
フランスの牛乳は殺菌の方法によって種類が分けられます。牛乳は低温殺菌法と高温殺菌法によって殺菌されます。
- 低温殺菌(pasteurisation)
-
フランス人の生化学・細菌学者のルイ・パストゥール(Louis Pasteur)が開発した低温殺菌法のことで、彼の名前から付けられました。60〜90℃で微生物を死滅させる低温殺菌方法です。
- 高温殺菌(stérilisation)
-
100℃以上の高温で殺菌する方法。
これらの二つの殺菌法があり、それにより以下の牛乳に分けられます。
- lait cru entier(生乳)
-
生の牛乳のこと。搾乳した農場の牛小屋内で瓶詰めがおこなわれた牛乳のことです。熱処理をしていないのでその名の通り生の牛乳です。3℃で保存して、未開封前でも3日しか保ちません。そのため、マルシェやスーパーでは冷蔵コーナーに置いてあります。
熱処理を全く加えていませんので、いちばん牛乳のうまみが残っています。
- lait frais pasteurisé(低温殺菌牛乳)
-
72〜85℃で20〜25秒低温殺菌した牛乳のことで、病原性の細菌の一部しか死滅させていませんが、酵素とビタミンと牛乳本来の風味が残っています。
3℃で保存して7日保存できます。スーパーでは冷蔵コーナーにあります。
- lait stérilisé simple(単純高温殺菌牛乳)
-
瓶詰め後に130℃で3〜4秒高温殺菌した牛乳です。酵素と病原性の細菌は死滅してしまうため、風味と色味が薄れいます。
15℃の環境で120〜150日保存可能です。こちらはスーパーに常温で置かれています。
- Lait stérilisé U. H. T(超高温殺菌牛乳)
-
U. H. T とは Ultra haute température(超高温)のことで、超高温で殺菌された牛乳のことです。フランスでみられる一般的な牛乳です。
140〜150℃で2秒殺菌し、急速に冷やし、瓶の中を無菌状態にします。病原性の細菌は死滅します。酵素、ビタミン、風味や色味は一部だけ保たれています。サラサラとした牛乳です。
15℃の環境で90日保ちます。スーパーでは常温で大量に並んでいます。
- lait concentré(濃縮乳・練乳)
-
濃縮牛乳や練乳のことです。55℃で数秒低温殺菌しながら、水分を飛ばします。糖分を加えて濃縮した後に高温殺菌をします。
15℃で数十ヶ月保存できます。
- lait en poudre déshydraté(粉乳)
-
脱脂粉乳のこと。55℃で数秒低温殺菌した後に、150℃で霧状に噴射させて、パウダー状にします。常温で12〜18ヶ月保存できます。
牛乳からできる製品
牛乳からヨーグルトやチーズ、クリームやバターが作られます。それぞれの製品をつくるためにはたくさんの牛乳が必要となります。(フランスの場合)
- 1リットルの牛乳=1リットルのヨーグルト
- 10リットルの牛乳=1kgのクリーム(生クリーム)
- 12リットルの牛乳=1kgのエメンタルチーズ
- 22リットルの牛乳=1kgのバター
日本の牛乳
日本の生乳の種類
牛から搾ったままの乳を生乳といい、生乳には4種類あります。容器の「種類別名称」の欄に「生乳100%」と書かれてあります。
- 牛乳
-
生乳を加熱殺菌しただけの牛乳のこと。水や他の成分を加えてはいけません。乳脂肪分は3.0%以上含まれています。季節により乳脂肪などの成分は変動するため、%には「以上」の表記がついています。
- 成分調整牛乳
-
生乳から水分や乳脂肪分、ミネラルなどを除いて成分を調整した牛乳のこと。乳脂肪分を減らしたものや増やしたものがあります。
- 低脂肪牛乳
-
生乳から遠心分離機で脂肪の除去して、乳脂肪分が0.5%~1.5%に調整したものです。
- 無脂肪牛乳
-
生乳から遠心分離機で脂肪のほとんどを取り除き、乳脂肪分を0.5%未満にしたもの。
- 成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳ともに無脂乳固形分8.0%以上あるため、カルシウムやたんぱく質は生乳と同様に含まれています。乳脂肪の量に違いがあります。
日本の牛乳の殺菌法
牛乳には5種類の殺菌方法があり、殺菌方法によって香りや風味に違いが出ます。
| 名称 | 殺菌方法 |
|---|---|
| 低温保持殺菌法 | 62~65℃で30分間 |
| 高温保持殺菌法 | 75℃以上で15分間 |
| 高温短時間殺菌法 | 72℃以上で15秒間以上 |
| 超高温瞬間殺菌法 | 120~130℃で2~3秒間 |
| 超高温瞬間滅菌法 | 130~150℃で1~4秒間 |
日本では9割以上の牛乳が超高温瞬間殺菌法によって処理されます。高温で殺菌するため、風味や香りが消えてしまいます。70℃以上で牛乳を加熱するとホエータンパク質という成分が変性し、硫化水素が発生し硫黄臭を感じます。
日本の乳牛の種類
乳牛にはホルスタイン種とジャージー種があります。日本の牛乳の多くはホルスタイン種の乳牛からとれる牛乳です。
| ホルスタイン種 | ジャージー種 | |
|---|---|---|
| 日本の飼育割合 | 99% | 1% |
| 1頭あたりの乳量/年 | 8000kg | 4000~5000kg |
| 乳脂肪分 | 3.7~3.9% | 5% |
ホルスタイン種とは白地に黒いまだら模様の乳牛で、ほかの種類の乳牛に比べて2倍の乳牛がとれる生産性のよい乳牛です。一方、ジャージー種の乳牛は脂肪分が高く、濃厚な風味をもつ牛乳がとれます。
ジャージー種やガンジー種の乳牛も近年では人気の出てきています。
加工乳と乳飲料
生乳にほかの成分を加えると加工乳や乳飲料となります。
- 加工乳
-
生乳に、クリームやバター、脱脂乳や脱脂粉乳、濃縮乳などの乳製品を加えたもの。乳脂肪分を少なくした低脂肪加工乳、濃縮乳やクリームやバターを加えた濃厚か購入があります。
- 乳飲料
-
生乳にミネラルやビタミン、コーヒーや果汁を加えたもの。ただ、「乳飲料」と表記するためには乳固形分を3.0%含まなければなりません。
フランスのヨーグルトの種類

ヨーグルト (yaourt)は乳に乳酸菌や酵母を混ぜて発酵させて作った食品のことです。フランスでは2つの乳酸菌を加えて作り、乳酸菌は製品になってからも生きています。脂肪のある乳や脂肪のない乳(脱脂乳)、殺菌している乳やしていない乳で作られます。場合によっては粉乳を加えることもあります。
ヨーグルトの起源は農業と畜産の始まったおよそ10,000年前に遡ります。その時代にすでに乳を凝固する方法を知っていましたが、19世紀末になり、その乳を凝固する効果が科学的に証明されました。20世紀初めにはヨーグルトは薬局で売られていました。
フランスのヨーグルトの分類
フランスで、ヨーグルトは脂肪分量と風味という2つの基準で分類されています。
- 脂肪分の含有量
-
- 低脂肪ヨーグルト(脂肪分1%以下):yaourt allégé(ヤウート アレジェ)
- 何も混ぜていないヨーグルト:脂肪分1%
- 全乳で作ったヨーグルト(脂肪分3,5%):yaourt au lait entier(ヤウート オ レ アンティエ)
- 風味
-
ヨーグルトに香りや風味などを加えたヨーグルトのこと。
- yaourt nature(ヤウート ナチュール) 砂糖や香りなど何も加えてないプレーンヨーグルト
- yaourt aux fruits(ヤウート オ フリュイ) 果物入りヨーグルト
- yaourt aux fruits rouges fraise framboise(ヤウート オ フリュイ フレーズ フランボワーズ)苺とフランボワーズのフルーツヨーグルト
- yaourt vanille(ヤウート ヴァニーユ)バニラ入りヨーグルト
- yaourt aromatisé(ヤウート アロマティゼ)香りつきヨーグルト
フランスのヨーグルトの種類と関連用語
- fromage blanc(フロマージュ ブラン)フレッシュチーズ
- yaourt brassé(ヤウート ブラッセ) クリーミーでねっとりとしたヨーグルト
- yaourt fermenté au bifidus actif(ヤウート フェルモンテ オ ビフィデュス アクティフ]) 生きているビフィズス菌入りヨーグルト
- yaourt à boire(ヤウート ア ボワール) 飲むヨーグルト
- yaourt à la grecque(ヤウート ア ラ グレック) ギリシャヨーグルト
- petit-lait(プチ レ) 乳清、ホエー
チーズを製造している途中で、固形物と液体に分離します。このときの液体を乳清といい、固形物の凝乳はカイエ(caillé)といいます。また、ヨーグルトを置いておくと、上部に液体が溜まり、それも乳清といいます。 - lactosérum(ラクトセリュム) 乳清、ホエー
- lait ribot(レ リボ) バターミルク
フランスの生クリームの種類

「生クリーム」は生乳から乳脂肪を取り出した乳製品のことで、フランス語では « crème » といいます。「生クリーム」は遠心分離機により牛乳から取り出した乳脂肪を原料としたもので、乳脂肪分が30%以上含まれているものを指します。10リットルの牛乳から1kgのクリームがとれます。
ちなみに、お菓子作りに用いるカスタードクリームやホイップクリームのことも同様に « crème » といいます。
ここでは生乳からつくる「生クリーム」のことを説明しています。お菓子作りに用いるクリームについてはこちらの記事をご覧ください。
フランスのクリームの種類
フランスのクリームは殺菌方法や脂肪分量により分類されています。その殺菌方法はクリームの製品のパッケージに大きく記載されています。
- crème crue(生クリーム)
-
crue とは「生の、未加工の」を意味し、生の牛乳から熱処理を加えずに作ったクリームのことです。本当の意味での「生」クリームといえます。液状で、6℃の冷蔵で7日間しか保ちません。そのため、スーパーよりもチーズ屋さんなどの専門店で販売しているのが見られます。料理やお菓子どちらにも使えます。
- crème fraîche liquide / crème fleurette(低温殺菌クリーム)
-
85〜90℃で15〜20秒間低温殺菌して、すぐに冷却したクリームのこと。サラサラなリキッド状のため、料理や製菓に用いられます。4℃の冷蔵で15日持ちます。
- crème fraîche épaisse / crème double(固形クリーム)
-
épaisseは「濃い」という意味で、リキッド状ではなくなめらかな固形状になっています。熱殺菌して、成熟させて乳酸菌を加えたクリームのことで、やや酸味を感じます。4℃の冷蔵で30日間、開封後も48時間は保ちます。
フランスでは料理に用いたり、フルーツやヨーグルトに添えたりします。固形状になっているため、泡立ちません。
- crème liquide(液状クリーム)
-
liquide とは「液状の」という意味で、その名の通り液状のクリームです。115℃で15〜20秒高温殺菌して冷まします。開封前だと、18℃以下の温度で8ヶ月保存できます。リキッド状になっており、お菓子作りにも用いることができます。
ちなみに、この « crème liquide » は高温殺菌しているため、 « crème fraîche(低温殺菌クリーム)» と呼んではいけません。
- crème U.H.T(超高温殺菌クリーム)
-
« U.H.T (Ultra haute température) » とは「超高温」を意味します。150℃で2〜3秒高温殺菌して、急速に冷蔵します。リキッド状のクリームで、18℃以下の環境で4ヶ月保存が可能です。こちらも料理や製菓に用いられます。
こちらも高温殺菌しているため、« crème fraîche(低温殺菌クリーム)»と呼んではいけません。
これらの殺菌法を踏まえて、さらに乳脂肪分量によってクリームの製品がきまります。
- crème entière(全乳クリーム)
-
乳牛由来の脂肪分30%以上で、最大40%含まれているクリームのこと。
クリームをホイップ状に泡立てるためには脂肪分が30%以上必要です。ホイップ用に使うには乳脂肪(matière grasse)分量に注目してください。
- crème légère(低脂肪クリーム)
-
低脂肪クリームのことで、脂肪分は12〜30%と低めです。リキッドタイプとクリームタイプのものがあります。脂肪分が30%以下のクリームは泡立ちませんので、ホイップクリームを作るのには適していません。
フランスの認定付きクリーム
これらのクリームはスーパーで手に入れることができます。
- Crème fraîche fluide d’Alsace(クレーム フレッシュ フリュイド ダルザス)
-
アルザスで生産されている低温殺菌された液状クリームで、添加物を使用しておらず、熟成もされていません。牛乳の生産とクリームへの加工はアルザス地方のバ=ラン県とオー=ラン県でのみで行われています。
アルザス地方特有のサイレージ用トウモロコシと保存牧草を主原料として育てられた牛のミルクから作られているのが特徴です。脂肪分が豊富で、不飽和脂肪酸の含有量は低めです。
保護地理的表示(PGI)に認定されています。
淡い色の牛乳から作られており、非常に白いのが特徴です。そのため、ホイップ作りに最適で、お菓子作りや料理に使っても他の材料の風味を損なうことがありません。
- Crème d’Isigny(クレーム ディジニー)
-
ノルマンディー地方の半島中心部「コル・デュ・コタンタン」と呼ばれる地域で生産される牛乳で作ったクリームです。その地方の土壌と温暖な海洋性気候のおかげで、牧草地帯として高い評価を得ています。脂肪の質の高さは牧草などの牛の飼料に由来します。
低温殺菌されたクリームで、脂肪分は35%以上含まれています。液体状としっかりとした濃厚な固形クリームの2種類があります。ほのかに甘い香りが特徴です。固形クリームはフレッシュで甘みに、かすかな酸味を感じます。
原産地統制呼称(AOC)によって保護されています。
- Crème de Bresse
-
フランス東部のブール=カン=ブレス(Bourg-en-Bresse)周辺に位置するブレス地方で生産される牛乳でつくるクリーム。牛乳は主にモンベリアード種の乳牛から搾乳されています。ブレス地方の牧草とトウモロコシを飼料として与えられています。同じ地方のバターもあります。
増粘剤や香料を一切添加せず、自然で伝統的な製法で熟成させて製造しています。
ほんのりとバニラが香り、なめらかな食感が特徴のセミエペス(semi-épaisse)、脂肪分が少なく、バターの香りが豊かなエペス(épaisse)の2種類があります。固形タイプであるため、料理に用いるのにぴったりです。
ブレス地方のボカージュ平野で生産されています。粘土質の土壌と安定した降雨量が、牧草の生育とトウモロコシの栽培を促進します。牛乳は、主にモンベリアード種の乳牛から搾乳され、地元の牧草とトウモロコシを飼料として与えられています。
原産地統制呼称(AOC)によって保護されています。
固形クリームとは?
フランスのクリームには液状のクリームと固形のクリームがあります。固形クリームは36%以上の脂肪を含んでおり、ヨーグルトよりもかための触感です。製菓や料理に用い、液体ではないので泡立てることはできません。
固形クリームはヨーグルトを作るときと同じように乳酸菌を使って熟成させることで、しっかりとした食感になります。どちらも保存性を高めるために低温殺菌されています。
フランスのチーズの種類
フロマージュ(fromage)は毎日の食卓にのぼるほどフランスでは欠かせない食材のひとつです。
チーズは凝縮した乳から作った食品のことで、主に牛乳や羊(brebis)やヤギ(chèvre)、水牛(bufflonne)などの乳からも作られています。
チーズは人類によって先史時代より食べられている古い食べ物です。地理的な状況と多様な耕作適地により、フランスでは様々な地域で多くのチーズが生産されています。フランスにはおよそ500種のチーズがあり、年間一人当たり20kg消費しているほど親しまれています。
フランスでは食後にチーズを食べたり、アペリティフとして提供されることがあります。また、チーズは料理に広く用いられ、フレッシュチーズは製菓にも用いられます。
フランスのチーズは、発酵や熟成など製法によってタイプが分けられています。
フレッシュチーズ(fromages frais)
フレッシュチーズは 熟成させず、製造後すぐに食べられる唯一のチーズです。見た目はかためのヨーグルトのようで、フレッシュハーブやオリーブオイルを加えて料理のソースにしたり、ジャムや蜂蜜を加えてデザートとしていただきます。
フランスで見られるフレッシュチーズの種類やメーカーの商品は以下の通りです。
- fromages blancs(フロマージュ ブラン)
- mascarpone(マスカルポーヌ)
- ricotta(リコッタ)
- Petits suisses(プチ・スイス)
- St Môret®(サン モレ)
- Philadelphia(フィラデルフィア)
- Kiri(キリ)
- Carré frais(キャレ フレ)
白カビタイプのソフトチーズ(pâtes molles à croûte fleurie)
白カビタイプのソフトチーズとは、白カビチーズは、表面の白カビで熟成させる、クリーミーな中身と白くふわふわした外皮が特徴のチーズのこと。
- Camembert (カマンベール)
- Brie(ブリー)
- Brillat-savarin(ブリア=サヴァラン)
- Coulommiers(クロミエ)
- Carré de l’Est(カレ ド レスト)
- Délice de Bourgogne(デリス ド ブルゴーニュ)
- Saint-félicien(サン=フェリシアン)
- Saint-marcellin(サン=マルスラン)
ウォッシュタイプのソフトチーズ(Pâtes molles à croûte lavée)
ウォッシュタイプのソフトチーズとは、表面を塩水やお酒で洗いながら熟成させる、クリーミーな中身と、黄色〜オレンジ色の香り豊かな外皮が特徴のチーズのことです。
- Pont-l’Évêque(ポン=レヴェック)
- Livarot(リヴァロ)
- Époisses(エポワス)
- Roblochon(ロブロション)
- Munster(マンステール)
- Maroilles(マロリーズ)
- Mont d’Or(モン ドール)
ブルーチーズ(fromage à pâte persillée)
ブルーチーズは、内部に青カビを繁殖させて熟成させることで、独特の香りとコク、塩味を生み出したチーズです。フランスではロックフォールが特に有名で、イタリアのゴルゴンゾーラ、イギリスのスティルトンとともに「三大ブルーチーズ」と呼ばれています。
- Roquefort (ロックフォール)
- Gorgonzola(ゴルゴンゾーラ)
- Stilton(スティルトン)
- Bleus d’Auvergne(ブルー・ドヴェルニュ)
- Bleus de Bresse(ブルー・ブレス)
- Bleus de Causses(ブルー・デ・コース)
- Bleus de Gex(ブルー・ド・ジェクス)
- Bleus du Quercy(ブルー・ドゥ・ケルシー)
非加熱圧搾チーズ(fromage à pâtes pressées non cuites)
非加熱圧搾チーズは、カード(凝乳)を型に入れて圧縮し、水分を抜いて作る、加熱工程の少ないセミハードからハード系のチーズのことをいいます。
- Cantal(カンタル)
- Saint-Nectaire(サン=ネクテール)
- Tomme de Savoie(トム ド サヴォワ)
- Tomme de Laguiole(トム ド ラギオール)
- Tomme des Pyrénées(トム ド ピレネ)
- Ossau Iraty(オッソー イラティ)
- Saint-Paulin(サン=ポーラン)
- Mimolette(ミモレット)
加熱圧搾チーズ(fromage à pâtes pressées cuites)
加熱圧搾チーズは、凝乳(カード)を加熱してから強く圧縮し、水分をしっかり抜いて長期熟成させる、硬くてコクのあるチーズのことです。「ハードタイプチーズ」とも呼びます。
- Gruyère français(グリュイエール)
- Emmental(エメンタール)
- Beaufort(ボーフォール)
- Comté(コンテ)
山羊チーズ(fromage de chèvre)
フロマージュ・ド・シェーヴル(fromage de chèvre)とは、山羊の乳で作られたチーズのこと。フレッシュなものから熟成させたもの、葡萄やスパイス、ハーブなどを加えたチーズなど様々な種類があります。
サラダに添えたり、スライスしたパンにのせてグリルしたり、ジャムや蜂蜜を添えていただきます。
- Sainte-Maure(サント=モール)
- Crottin de Chavignol(クロタン ド シャヴィニョール)
- Chabichou(シャビシュ)
- Cabécou(カベクー)
- Valençay(ヴァランセ)
加工チーズ(fromage à pâte fondue)
加工チーズとは、凝乳(カード)を溶かして作るチーズのことで、プロセスチーズやパンに塗るためのチーズのことを指します。
- Fromages à tartiner(フロマージュ ア タルティネ):パンなどに塗る用に加工されたチーズ
- La vache qui rit(ラ ヴァッシュ キ リ):「笑う牛」という名のプロセスチーズ(メーカーの商品名)
- Crème de Roquefort(クレーム ア ロックフォール):ロックフォールチーズにクリームを加えた商品
バターに関するフランス語単語

バターはフランス語でブール(beurre)といい、お菓子作りだけではなく料理にも欠かせない乳製品です。
フランスのバターの成分
フランスでは、バターは牛の乳から絞った牛乳から作られているのが一般的です。乳脂肪分は82%以上、水分は最大16%、ラクトースやガゼインが最大2%含まれています。また、ビタミンA, B, Dが含まれています。
バターは1kg作るのには22リットルの牛乳が必要です。
「夏のバター」と「冬のバター」とは?
フランスのバターには夏と冬のバターがあります。
夏のバター(beurre d’été)は、放牧中心で新鮮な牧草を食べた牛のミルクから作られるため、香りが豊かで黄色みが強く、風味が軽やかなのが特徴です。比較的低い温度の28℃〜32℃で溶けてしまいます。
冬のバター(beurre d’hiver)は、干し草や飼料中心のミルクから作られるため、色はやや白っぽく、味わいはあっさりしていてコクが穏やかです。水分が少ないため、融点が高い(32℃〜35℃)ため、溶けにくいです。生地の折り込み作業(tourage)のバターとして用いられます。
季節によって牛のエサが変わることで、バターの色・香り・味わいが変わります。
フランスのバターの種類
フランスのバターは殺菌方法、脂肪量、塩分量、脂肪酸の量によってさまざまな種類があります。これらの情報はバターのパッケージに表記してあります。
- beurre cru(生バター)
-
殺菌していない生乳や生のクリームから作られたバターのこと。チーズ屋さんなどの専門店で見つけることができます。2~4℃で6~8週間保存できます。
- beurre fin(高品質バター)
-
高品質バターは、殺菌したクリームから作られたバターのこと。クリームは最大30%は冷凍したものが含まれます。2℃〜4℃で60日間保存できます。
- beurre extra-fin(特選バター)
-
特選バターとは、冷凍していない殺菌したクリームから作られたバターのこと。牛乳かクリームを収集してから72時間以内、クリームを分離してから48時間で作ります。2~4℃で60日間保存可能です。
お菓子作りに最も適しているバターとされています。
- beurre allégé(低脂肪バター)
-
一般的なバターよりも少ない41~65%の脂肪分が含まれているバターのこと。
- demi-beurre(低脂肪バター)
-
一般的なバターの半分の41%の脂肪分が含まれているバターのこと。
- beurre doux(無塩バター)
-
塩分の入っていないバターのこと。お菓子作りのレシピに書かれていたら、この無塩バターを使用します。
- beurre salé(有塩バター)
-
3%以上の塩分を含んだバターのこと。日本の有塩バターは塩分量1.5~2%ですので、フランスのは縁味が強いです。
- beurre demi-sel(塩分控えめバター)
-
0,5~3%の塩分が含んでいる有塩バターのこと。
- beurre sec(ドライバター)
-
水分が少なめな(14%)バターで、通常よりもかたく、溶けにくいのが特徴で、製菓では生地の折り込み作業(tourage)のために用いられます。そのため、バターはあらかじめ薄いシート状になっています。
シャラント地方やエシレのバターがドライバターにあたり、「冬のバター」ともいいます。
- beurre gras(脂肪分の豊富なバター)
-
不飽和脂肪酸を多く含んでいるバターで、32℃以下で溶けます。ブルトンやノルマン地方のバターがこれに当たり、「夏のバター」ともいいます。
製菓のクリームやビスキュイ生地に用いるのに適しています。
いかがでしたか?
この記事では、フランスの牛乳・ヨーグルト・生クリーム・バター・チーズなど、代表的な乳製品の種類や分類について解説しました。
フランスのスーパーには、日本では見かけない乳製品も多くあります。名前や特徴を知っておくと、買い物や料理がもっと楽しくなりますよ。
「この記事が役に立った!」「フランスの乳製品コーナーを見てみたい!」と思ったら、ぜひSNSでのシェアをお願いします。
- Le dictionnaire des chefs Ferrandi Paris
- Passez votre C.A.P pâtissier avec nous !
- Le livre du pâtissier CAP, MC, Bac Pro, BTM, BM
- CAP Pâtissier 1re et 2e années : Tome 1, Matières premières
- Crème d’Isigny: https://www.inao.gouv.fr/produit/creme-disigny-15966
- Crème fraîche fluide d’Alsace (IG/51/94): https://www.inao.gouv.fr/produit/creme-fraiche-fluide-dalsace-3449
- Crème de Bresse: https://www.inao.gouv.fr/produit/creme-de-bresse-13175

