Savarin

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今回は、サヴァランというフランスのお菓子を紹介します。サヴァランはさほど知られていないかもしれませんが、ババオラムクグロフは聞いたことがあるかもしれません。これらのお菓子をアレンジして作ったのがサヴァランです。

また、19世紀のパティスリー界で有名な人物もこのお菓子の成り立ちに大きく関係しています。

この記事では、サヴァランとババオラムとの違い、サヴァランのルーツとなるお菓子についても説明します。これで、サヴァランとは何かがはっきりと分かるはずです!

目次

サヴァランとは?

サヴァラン(サバラン)とは、発酵パン生地を王冠型で焼き、シロップに漬け、中央にクリームやフルーツを飾ったケーキのことです。

発酵パン生地はブリオッシュに用いられる生地で、バターや砂糖を加えたふわふわとした柔らかなパンです。シロップはオレンジやレモンの皮、バニラなどで香りをつけ、ラムやキルシュといったリキュールを加えることもあります。焼き上がった生地をシロップにしっかり漬け、ナパージュを塗ります。仕上げに、シャンティイやサン=トノレ(シブースト)、パティシエール、ムースリーヌなどのクリームを絞り、赤い果実の果物やエキゾチックフルーツを飾ることもあります。

また、サヴァランは円状で中央がくぼんだ王冠の型で焼くのが特徴です。

savarin サヴァラン(サバラン)

サヴァランの構成・材料

分類パティスリー/ガトー
構成発酵パン生地/ババ生地
シロップ:バニラ/オレンジの皮/レモンの皮/ラム/キルシュ
クリーム:シャンティイ/サン=トノレ/パティシエール/ムースリーヌ
フルーツ:苺/フランボワーズ/ブラックベリー/ぶどう/さくらんぼなど
材料小麦粉

バター
砂糖
酵母
牛乳/生クリーム/リキュール/フルーツ

名前

Savarin

[サヴァラン]サヴァラン、サバラン / フランス語

フランスの美食家ブリア=サヴァランから名付けられました。

サヴァランが誕生した歴史

1844年、パリでジュリアン兄弟がトロワ・フレール・ジュリアン « Les trois frères Jullien » というパティスリーをブルス広場(Place de la Bourse)に開きます。このパティスリーはパリで大評判で、多くの名作を生み出しました。

ジュリアン兄弟の末っ子のオーギュスト(Auguste)がボルドーに滞在中、あるお菓子をシロップに漬けたり、シロップを刷毛で塗るアイデアを思いつきました。オーギュストはババ生地の干しぶどうを省き、型を変え、シロップに独自の風味を加えることにしました。こうして考案されたお菓子がサヴァランです。

オーギュストはこのサヴァランのレシピを半世紀以上も秘密にしていました。

18世紀後半から19世紀始めに活躍した美食家ブリア=サヴァラン(Brillat-Savarin)に敬意を表して、「ブリア=サヴァラン」と名付けました。今ではそれを短縮して、「サヴァラン」となっています。

また、オーギュストは南フランスでの仕事を終えてパリに戻った後、モカ(Moka)やトロワ・フレールという名作を生み出しました。

トロワ・フレール(Trois-Frères)とは砂糖や卵、バターに米粉を合わせ、バニラで香り付けし、アプリコットジャムを塗って、アンジェリカの砂糖漬けを飾ったお菓子です。当時流行していた米粉を使ったことと、トロワ・フレールという彼らの名前のついたオリジナルの型で焼くのが特徴です。このお菓子はパリで大評判を得ました。

ウキペディアにトロワ・フレールのイラストが載っていました。

Ronjat - Le Livre de Pâtisserie, fig. Gateau des trois-frères.png
Par Etienne Antoine Eugène Ronjat (1822 – ….) — Google books, Domaine public, Lien

ブリア=サヴァランとは?

ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン(Jean Anthelme Brillat-Savarin)

(1755年 – 1826年)

ブリア=サヴァランはフランスの法律家、政治家であり、美食家としても活躍しました。

1825年に『美味礼讃』を出版し、美食学の創始者のひとりとされています。

ちなみに、ブルゴーニュ地方で生産されているブリア・サヴァランという名前のチーズも彼の名前から名付けられました。

参考にした本・サイト

もりりん
パティシエ
フランスのパティスリーで働いでいます。フランスの大学の歴史学科で勉強してます。よろしくね
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