ピティヴィエはパリの南にある同じ名前の町で作られているアーモンドを使ったお菓子のことで、スポンジ生地と折込パイ生地を使った2種類があります。
ピティヴィエは古代ローマ時代からある町で、交通の要所として栄え、ローマ人によってアーモンドが伝わりました。たくさん採れるアーモンドを使ったお菓子が作られるようになりました。
名前
- Pithiviers
-
[pitivje] ピティヴィエ / フランス語
- Pithiviers fondant
-
[pitivje fɔ̃dɑ̃] ピティヴィエ フォンダン / フランス語
- Pithiviers feuilleté
-
[pitivje fœjte] ピティヴィエ フォユテ / フランス語
ピティヴィエは、パリから南へ約80kmのところにある町です。
種類・構成
ピティヴィエには2種類あり、どちらも特産のアーモンドをふんだんに使っています。
ピティヴィエ・フォンダン
アーモンドを加えたスポンジ生地の表面にフォンダンをかけて、フルーツの砂糖漬けを飾ったお菓子です。
ピティヴィエ・フォンダンは7世紀頃には作られていましたが、当時はスポンジ生地は膨らませず薄いクッキー生地のようなお菓子でした。
16世紀にバターが手に入るようになり、バターを混ぜて空気を含ませ、現在のようなふんわりとしたスポンジ生地になりました。
分類 | パティスリー/ガトー |
構成 | ジェノワーズ生地 フォンダン 果物の砂糖漬け |
材料 | 小麦粉 卵 砂糖 バター アーモンド フォンダン 果物 |
ピティヴィエ・フォユテ
円形の折込パイ生地にフランジパンを詰めたお菓子です。
ガレットデロワとまったく同じものですが、ピティヴィエは通年見られます。中にフェーブは入っておらず、パイ生地の端を花びらのように切ることもあります。
18世紀に折込パイ生地をつくる技術が考案されたのに伴い、作られるようになりました。
現在ではこちらが主流のもので、単にピティヴィエというとこちらを指すことがあります。
分類 | パティスリー/ガトー |
構成 | 折込パイ生地 アーモンドクリーム |
材料 | 小麦粉 卵 砂糖 バター アーモンド |
誕生した時代・場所・人物
時代 | 16世紀 |
国 | フランス |
地方 | サントル=ヴァル・ドゥ・ロワール地域圏 |
町 | ピティヴィエ (Pithiviers) |
人物 | 不明 (菓子職人) |
歴史・由来
16世紀、フランス王シャルル9世がピティヴィエの町近くの森でユグノー派の強盗団に捕まりました。しばらくすると、強盗団は捕らえた人が王であることに気づきました。
強盗団はアーモンドを使ったお菓子を王に渡しました。王はそのお菓子が美味しかったため、解放された後に作成した職人に王家御用達の特権を与えました。
職人はこのお菓子にシャルル9世の馬車の車輪をイメージした飾りをつけました。これがピティヴィエといわれています。
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