今回は、フランスの基本の生地のひとつであるパートサブレのレシピを紹介します。
パートサブレはどんな生地で、どんなお菓子に使うのかをふまえた上で、必要な材料や道具、適切な型、作り方の手順を解説します。フランスのパティシエによる解説動画もあります。
また、パートシュクレとパートブリゼとの違いについても詳しく解説しています。
この記事で、パートサブレのことがすべてわかるようになります。
パートサブレとは?
パートサブレはバターを多めに加えるためサクサクとしたもろい生地のことで、主にタルトの土台として用います。
最初にバターと小麦粉を合わせるため、グルテンの発生が抑えられ生地同士のつながりが弱くなります。そのため、食感はサクサクとしてもろくなります。加える水分が少ないため、ざらざらとしています。
パートブリゼやパートシュクレと並んで、フランス菓子に最もよく使われる生地です。
フランス語の名前
- Pâte sablée
-
[パート サブレ]パートサブレ、サブレ生地 / フランス語
« sablée » は「砂の」という意味の形容詞の女性形で、生地がざらざらとした砂のような食感がするためこのように呼ばれています
パートシュクレとパートサブレの違い
パートシュクレとパートサブレではほぼ同じ材料を用います。しかし、食感や固さが異なります。
まず、一般的にパートサブレはバターが多めで、パートシュクレは砂糖が多めの配合です。ただし、現在ではパートシュクレの砂糖は少なめな傾向にあります。
フランスの製菓の教科書に載っているパートシュクレとパートサブレの配合の違いは下記の表をご覧ください。同量の小麦粉に対してバターと砂糖の割合が異なることがわかります。
パートシュクレ | パートサブレ | |
---|---|---|
小麦粉 | 250g | 250g |
バター | 100g | 125g |
砂糖 | 130g | 100g |
そして、違いは材料を混ぜる手順にもあります。
パートシュクレは水分を油の中に閉じ込めてしまうことで、水分と粉が直接くっつかない方法をとります。水分と油は混ざらないため、まず砂糖をバターの中に混ぜ込み、その砂糖に水分(卵)を吸収させ、油(バター)の中に綴じ込めます。最後に小麦粉を加え、小麦粉と水分が直接結びつかないようにします。
パートサブレは粉で油を覆うことで、粉と水分を結びつけるのを防ぎます。まずバターの粒と小麦粉をまぜあわせ、水分(卵)を加えます。こうすることで、水分と小麦粉が直接くっつきません。
では、なぜ小麦粉と水分が直接結びついてはいけないのでしょうか?
それは小麦粉に含まれているグルテンに関係しています。小麦粉と水分を直接つなぎ合わせて、練るとねばねばとしていて弾力性のある物質ができます。この物質をグルテンといい、グルテンが発生すると生地に粘りや弾力性が出て、焼くと生地が固くなり、口どけが悪くなります。よって、タルト生地をつくる際にはなるべくグルテンを発生させないように作ります。
この混ぜ方の違いによって、食感の異なる生地ができます。パートシュクレは密度が高くしっかりとした生地で、口に入れると崩れるようなもろさがあります。パートサブレはきめが詰まっていてサクサクとした食感となります。
注意:フランスのレシピによっては、パートサブレはパートシュクレと同じ手順で作ることもあります。
パートブリゼとの違い
材料を混ぜる手順はパートサブレと同じです。パートサブレもパートブリゼもどちらも軽くもろい生地で、焼成するとなめらかでサクサクとした食感となります。
パートブリゼは基本的には砂糖は加えないため、塩味の詰め物に利用することができます。パートサブレは砂糖を加えるため、甘味のある詰め物に利用されます。
どんなお菓子に使う?
パートサブレは、主にタルトの土台やプチフールのサブレに用います。タルトの場合、生地を空焼きしてからガナッシュやクレームパティシエールを詰めたり、クレームダマンドを詰めて一緒に焼くこともあります。
また、生地に甘味があるため、チョコレートや生フルーツを使ったタルト、アーモンドクリームを敷いたタルトなどに適しています。パートサブレは液体が染み込みやすいため、クリームなどの液体を詰めて焼くのは避けましょう。
パートサブレは以下のようなタルトやお菓子に用います。パートシュクレもパートサブレと同じタルトに用いることができます。
- タルトオショコラ
- りんごタルト(タルトオポム)
- タルトアマンディーヌ
- レモンタルト(タルトオシトロン)
- 洋梨タルト(タルトブルダルー)
- フルーツタルト(タルトオフリュイ)
- タルトオフランボワーズ
- いちごタルト(タルトオフレーズ)
また、サブレやプチフールの土台としても用いられます。


パートサブレのレシピ
調理時間:11分
材料
- 直径22cmのタルト型1台分
- 薄力粉 250g
- グラニュー糖 125g
- バター 150g
- 卵 50g(Mサイズ1個分)
- バターは使う直前まで冷蔵庫に入れておきます。
必要な道具
- スケッパー
- 作業台
- ラップ
パートサブレの作り方
冷蔵庫から出したばかりのバターを適当な大きさに切ります。
作業台の上に小麦粉を置き、中央に穴を掘り、バターと砂糖を入れます。指を使って、粉とバターを指や手でこするようにして合わせます。
手の体温でバターが溶けないようにすばやく行います。混ぜすぎると生地に弾力性がですぎてしまいます。


作業台に粉類とバターを混ぜたものを山になるようにおき、山の中央に穴をあけ、卵を入れます。
スケッパーを使い、切るようにして卵と混ぜ合わせます。
粉類と卵を合わせたら、生地を集めて塊にします。このときは生地はポロポロで塊があってもかまいません。


生地を均一にするために、手のひらをつかって台に滑らせます。
生地にバターや小麦粉の塊がなく、滑らかになったら出来上がりです。

生地をひとかたまりにしてラップに包みます。冷蔵庫に入れ、1時間以上冷やします。生地を混ぜ合わせてすぐはバターが柔らかくなっており、生地を伸ばす際に扱いづらくなります。
生地が冷えたら、生地を伸ばしましょう。

パートブリゼを作成後、型に生地を敷く(フォンサージュ)場合はこちらのページで詳しく解説しています。
また、フォンサージュ後、生地を空焼き・共焼きする場合はこちらの記事をご覧ください。
パートサブレの動画
フランスのパティシエによる、パートサブレの基本的な作り方の解説動画です。料理人になるための国家資格(CAP Cuisinier)を受験する方のため作り方となっており、とても分かりやすい動画です。
パートサブレの保存法・保存期間
焼成前のパートサブレは保存することができます。しっかりとラップをして、冷蔵庫で3日保存可能です。
また、冷凍庫では3ヶ月まで保存可能です。使用する場合は、冷蔵庫でゆっくりと解凍します。
焼成後のパートサブレは、湿気を吸いますので、なるべく早く使用するようにしてください。
コメント