今回は、フランスの基本の生地のひとつであるパートシュクレのレシピを紹介します。パートシュクレはどんな生地で、どんなお菓子に使うのかをふまえた上で、必要な材料や道具、適切な型、作り方の手順を解説します。次に、フォンサージュ(敷き込み)や空焼きのしかた、よくある失敗やその解決法、生地の保存方法を説明します。
この記事で、パートシュクレのことがすべてわかるようになります。
パートシュクレとは?
パートシュクレは甘味のついた生地で、主に甘いタルトに用います。
パートブリゼやパートサブレと並んで、フランス菓子に最もよく使われる生地です。パートシュクレは他の生地に比べ砂糖を多めに加えているのが特徴で、そのため生地がかたく引き締まっています。
密度が高くしっかりとした生地で、食感はサクサクとしています。
フランス語の名前
- Pâte sucrée
-
[パット シュクレ]パートシュクレ / フランス語
« pâte » は「生地」という名詞、« sucrée » は「甘い、砂糖を入れた」という形容詞(女性形)で「甘い生地」という意味となります。
どんなタルトにつかう?
生地に甘みがついているため、チョコレートや生フルーツを使ったタルト、アーモンドクリームを敷いたタルトなどに適しています。
また、パートシュクレは液体が染み込みやすいため、生クリームや牛乳などのアパレイユを一緒に焼くのは避けたほうがいいです。
パートシュクレのレシピ
フランスで習ったパートシュクレの作り方を紹介します。
調理時間:13分
材料
- 直径22cmのタルト型1台分
- バター 100g
- 粉糖 80g
- 卵 1個
- 薄力粉 200g
- 塩 ひとつまみ
- バターは作成する30分ほど前に冷蔵庫から出しておきます。
- 粉糖はグラニュー糖で代用してもかまいませんが、粉糖のほうが生地に溶けなじみやすくなります。
- 卵は常温に置いておきます。
- 卵は全卵でも卵黄だけでも構いません。卵黄だけの場合は次の②の作業で卵が分離しません。
必要な道具
- ボウル
- ヘラ / スパチュール
- スケッパー
- 作業台
パートシュクレの作り方
ボウルにバターと砂糖を入れます。ヘラを使い、砂糖がバターとしっかりと混ざり、ふんわりとしたクリーム状になるまで混ぜます。
バターが固すぎる場合は、指をつかうと体温によってバターが温まり混ぜやすくなります。

ボウルに卵と塩を加え、スパチュールをつかって混ぜます。しっかり合わさるように混ぜます。

全卵を使う場合は、卵がバターになじまずスクランブルエッグ状となり分離します。フランスの製菓の教科書ではバターに水分である卵を加えると分離しますと書かれてあります。油分に水分を加えると分離するのは当然なので、卵は一気に加えます。
日本のレシピでは分離しないように少しずつ卵を加えていくのが主流のようですが、フランスでは大雑把で小さなことは気にしないんですよね。
作業台に小麦粉を山になるようにおき、中央に穴をあけます。

その穴に②でつくった卵液を流し入れます。スケッパーを使い、小麦粉と卵液を切るように混ぜ合わせます。

生地をひとかたまりにします。粉っぽさが残ってもかまいません。
手のひらをつかって生地を台に数回(2〜3回)滑らせます。これをおこなうと、生地が均一になります。

やり過ぎてしまうと弾力がですぎて、生地が縮まってしまいます。ただ、生地の中にバターの塊が残っていないようにしましょう。バターの塊があると焼成中に溶けて生地に穴があいてしまいます。
生地をラップに包み、冷蔵庫で1時間以上冷やします。
パートシュクレの敷き込み
準備するもの
- パートシュクレ
- バター 5~10g
- めん棒
- タルト型
- 作業台
- フォーク/ピケローラー
- ナイフ/ペティナイフ
- オーブンシート
- 生地とバターは直前まで冷蔵庫に入れておきます。
今回はセルクル(リング状のタルト型)を使用しています。このタルト型は底がないため生地が取り外しやすく、フランスではプロの現場で用いられています。
一般的なタルト型(底のある型)でも手順は同じです。
パートシュクレを敷く手順
タルト型の側面内側にバターを薄く塗ります。バターの塊が残らないように薄く塗りましょう。

作業台に小麦粉を振り、パートブリゼを置きます。

めん棒で、厚さが3~4mmになるように伸ばします。生地は1/4ずつ回転させていき、伸ばすと同じ厚さになります。

タルト型を生地の上にのせて、型よりも大きいかどうかを確認しましょう。
パートブリゼをめん棒に巻き付けます。

タルト型の上で生地を広げて、かぶせます。

型の内側に立ち上がらせるために生地の縁を持ち上げます。人差し指と中指の甲をつかって、生地を持ち上げます。生地を内側側面にしっかりと押し付けます。

めん棒をタルト型にのせて転がし、生地を切ります。残った生地はラップに包んでおきます。

タルト型の内側に垂れた生地を指を使って、上に立たせます。

ペティナイフ(ナイフ)を用いて、タルト型の上にはみ出た生地を切ります。

親指を生地と肩の側面の間に差し込み、一周させます。生地と型がくっ付きすぎず、取り外しやすくなります。

生地が膨れるのを防ぐため、生地の底にフォークで跡をつけます。

生地を冷蔵庫に入れ、30分ほど冷やします。生地を冷やすことで、側面の生地が倒れなくなります。
パートシュクレの空焼き
パートシュクレは空焼きすることもあります。空焼きとは、中身を詰めずに生地だけをあらかじめ焼くことです。
オーブンを180℃に予熱し始めます。敷いたパートブリゼは直前まで冷蔵庫に入れておきます。
しっかり冷やすことで、側面の生地が倒れにくくなります。
パートブリゼをオーブンに入れ、15分ほど焼きます。オーブンによって焼き時間が異なるため、目安としてください。
リング型の場合は、型を持ち上げて側面に焼き色がついていたら出来上がりです。
オーブンから出し、型をつけたまま粗熱を取ります。
タルト生地の上部のはみ出た生地はピーラーやナイフで削げとります。

よくある失敗と解決法
パートシュクレの保存法
焼成前のパートシュクレは保存することができます。しっかりとラップをして、冷蔵庫で3日保存可能です。
また、冷凍庫では3ヶ月まで保存可能です。使用する場合は、冷蔵庫でゆっくりと解凍します。
焼成後のパートシュクレは、湿気を吸いますので、なるべく早く使用するようにしてください。
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