トレーズ・デセールとはマルセイユやプロヴァンス地方といった南フランスで、クリスマス時期に食べる13種類の甘味のことです。日本ではあまり馴染みのないお菓子ですが、南フランスではよく見られるデザートです。
この記事ではトレーズデセールの名前や13種類の内容、誕生した由来を詳しく解説します。
フランス語の名前
- Treize desserts
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[tʁɛz desɛʁ] トレーズ デセール / フランス語
「13つのデザート」という意味 - Treize desserts de Noël
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[tʁɛz desɛʁ də nɔɛl] トレーズ デセール ド ノエル / フランス語
「クリスマスの13のデザート」という意味 - Calenos
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カルノ
トレーズデセールの内容
トレーズ・デセールはキリストの最後の晩餐に由来しており、12人の弟子とキリストで13をあらわしています。
13種類のお菓子は町や地域によって種類は異なりますが、伝統的にマンディアン(クルミ、またはヘーゼルナッツ、ドライいちじく、レーズン、アーモンド)が含まれます。マンディアンとはクルミ(ヘーゼルナッツ)とドライいちじく、レーズン、アーモンドの4つです。
一般的なトレーズ・デセールとは以下のような種類になっています。
- くるみ/ヘーゼルナッツ
- ドライいちじく
- レーズン
- アーモンド
- ポンプ・ア・リュイル(オレンジ風味のフガス)
- 白ヌガー
- デーツ
- 黒ヌガー
- 赤ヌガー
- カリソン
- オレンジ(みかん)のコンフィ
- スイカ(メロン)のコンフィ
- キウイやマンゴーのコンフィ
デーツの種は楕円の形をしており、キリストを表しています。
マダム・フィガロ(Madame Figaro)1によるとコワンのゼリー(Pâte de coing)を加えることもあります。


トレーズデセールの由来
1683年に書かれた文章にトレーズ・デセールについての言及があり、これ以前に作られていたことが分かりました。
それから時がたち、1925年、プロヴァンス地方オーバーニュの作家ジョセフ・ファランが新聞でトレーズ・デセールについて書きました。トレーズ・デセールは13種類が原則で多くても少なくてもいけないとのことです。
クリスマス前日の12月24日の真夜中のミサの後に、3枚のテーブルクロスの上に、中央にはろうそく、聖バルバラの麦を3つとともに並べていました。3日の間、招待客は必ず13種類すべての甘味を食べます。
聖バルバラの麦とは12月4日の聖バルバラの日におこなわれる占いで、水に浸した小麦がクリスマスに芽吹いた数によって翌年の豊凶を占っていました。聖バルバラは発熱や急死から人々を護る十四救難聖人の一人で、特に鉱山や火を扱うなど危険な場所で働く人々の守護聖人です。


トレーズデセールに関連するお菓子
- https://madame.lefigaro.fr/cuisine/quels-sont-les-13-desserts-provencaux-de-noel-191216-128698 ↩︎