クレームダマンドはアーモンドを用いたフランスの主要なクリームのひとつで、タルトやパイ菓子など幅広く用いられます。最近のフランスでは、クレームダマンドを進化させたフランジパーヌもよく見られるようになりました。
この記事では、クレームダマンドとフランジパーヌのレシピ、フランスの現状をふまえ、タルトへの利用法を解説します。
フランス語の名前
- Crème d’amande
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[クレーム ダマンド]クレームダマンド、アーモンドクリーム / フランス語
« crème » は「クリーム」、« amande » は「アーモンド」という意味 - Crème frangipane / Frangipane
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[クレーム フランジパンヌ]クレームフランジパンヌ、フランジパーヌ / フランス語
« frangipane » は人名に由来する語(下記に解説あり)
クレームダマンドとは?
クレームアマンドはアーモンドパウダーをベースにしたクリームで、火を通して用いるのが特徴です。日本ではアーモンドクリームと言います。
同量のバターと砂糖、アーモンドパウダーに卵と小麦粉を混ぜて作り、生地に詰めて焼いて用います。
主に、タルトの土台や、パート・フィユテの中に詰めます。タルト・オ・フリュイやタルトブルダルーなどのタルトの土台、ガレットデロワやミルリトン、ピティヴィエ、クロワッサンオザマンド、コンヴェルサシオン、ジャルジーなどのパイ菓子に用いられます。

フランジパーヌとは?
フランジパーヌはクレームダマンドとクレームパティシエールを合わせたクリームのことです。基本的には、クレームダマンドとクレームパティシエールを2対1で合わせます。
クレームパティシエールはカスタードクリームのことで、卵黄と砂糖、コンスターチに牛乳を加え、軽く火を通して作ります。
クレームダマンドと同様にタルトに敷き込んだり、パート・フィユテに詰めたりしています。
タルト・オ・フリュイはタルト生地にクレームダマンドを敷いて焼き、クレームパティシエールを絞ってフルーツを飾るのが一般的でした。最近では、タルト生地にフランジパーヌを敷いて焼き、ナパージュやコンフィチュールを塗ってフルーツを飾るタルトがよく見られます。
先に挙げたガレットデロワやミルリトン、ピティヴィエ、クロワッサンオザマンドなどもクレームダマンドの代わりにフランジパーヌを用いることが多くなりました。
フランジパーヌが広まった理由としては、まず価格の面が考えられます。近年、フランスでも製菓材料の価格が高騰しています。バターとアーモンドは他の材料に比べて価格が高騰しています。クレームパティシエールは比較的安価な材料で作るため、合わせることにより菓子の単価を抑える効果が期待できます。
次に、食感の変化が考えられます。クレームダマンドは焼成することによりぎっちりと詰まったクリームとなり、食感は少し固く重めとなります。クレームパティシエールを加えることで食感が軽くなり、柔らかな食感となります。
また、クレームパティシエールをタルトの土台にすると生地が水分でふにゃふにゃになることがあります。それを避ける目的もあるかもしれません。
クレームパティシエールを用いると、翌日までそのタルトを保たせることはできません。フランジパーヌを敷くとタルト生地は水分を吸わず、翌日まで保たせることができます。(フランスのパティスリーではタルト菓子は普通に翌日に持ち越します)
この辺の経営判断もあるのかなぁと考えています。
ということで、現在のフランスではフランジパーヌはよく使われているクリームのひとつになっています。とはいえ、クレームパティシエール入りのタルトも好きなお客さんは多いので、主力はクレームパティシエールですよ。

クレームダマンドのレシピ
調理時間:10分
材料
クレームダマンド約285g分
- 無塩バター 75g
- 砂糖 75g
- 薄力粉 10g
- アーモンドパウダー 75g
- 全卵 1個(50g)
- バターは30分前に冷蔵庫から出しておきます。
- アーモンドパウダーは皮付きでも皮なしでも構いません。
必要な道具
- ボウル
- スパチュール / ヘラ
クレームダマンドの作り方
ひとつのボウルに材料を順番に加えて、混ぜていきます。
ボウルにバターを入れ、スパチュールでやわらかく滑らかになるまで混ぜます。バターが固いためスパチュールで力強く混ぜます。
バターが固い場合は、指をつかって混ぜてもかまいません。体温によってバターが温まり混ぜやすくなります。
バターはやわらかくなりすぎないように注意しましょう。
砂糖を加えます。スパチュールを使ってバターとしっかりと混ざり、ふんわりとしたクリーム状になるまで混ぜます。
泡立て器を使うと空気が入りすぎて、焼くときに膨らんでしまいます。

小麦粉とアーモンドパウダー、卵を加え、スパチュールで混ぜます。全体にムラがなくなったら、できあがりです。

以上が、クレームダマンドの作り方で、次は応用編のフランジパーヌです。
フランジパーヌのレシピ
調理時間:30分
冷蔵時間:1時間以上
材料
184g分のクレームパティシエールが作れます。
- 牛乳 125g
- 卵黄 20g(卵1個分)
- グラニュー糖 25g
- コンスターチ 7g
- 薄力粉 7g
- クレームダマンド 285g(上記で作る分量)
必要な道具
- 片手鍋
- 泡立て器
- スパチュール/ヘラ
- ボウル
- ラップ
- 皿
- 皿の上にラップを広げておきます。
フランジパーヌの作り方
まずは、クレームパティシエールを準備し、のちにクレームダマンドと合わせて作ります。
クレームパティシエールは卵黄&砂糖に温めた牛乳を合わせて、火を通しながら作っていくクリームです。生卵をつかうため菌が繁殖しやすいクリームですので、火を通す際にはしっかりと火を通すように注意が必要です。
片手鍋に牛乳を入れ、中火にかけます。沸騰させないように温めます。
牛乳を温めている間に、ボウルに卵黄と砂糖を入れ、泡立て器ですり混ぜます。ボウルの側面に泡立て器をあて、ぐるぐると円を描くように混ぜます。

卵黄と砂糖の生地が白っぽくなったら、薄力粉とコンスターチを加えてすり混ぜます。白っぽくもったりとした生地になります。

牛乳が沸騰したら、1/3量をボウルに流し入れ、泡立て器で混ぜます。牛乳が混ざったら、ボウルの液を鍋に戻します。

片手鍋を中火にかけながら、泡立て器で混ぜていきます。 はじめはさらっとした液体ですが、次第に生地にとろみがついてきます。生地が重くなりますが、止めずに混ぜ続けましょう。
混ぜ続けているとクリームが沸騰して「ポフッ」と気泡がでてきます。その気泡ができてから、1分間火にかけたまま混ぜ続けます。これでクレームパティシエールの出来上がりです。

鍋を火から外し、ラップの上にクリームを流し入れます。ラップで密封して、冷蔵庫で1時間以上冷やします。
急速に冷やしたい場合は、カスタードクリームをなるべく薄く平らにしてラップに包みます。クリームの上下にアイスマットを置き、冷蔵庫に入れて冷やします。

冷やしたあとのカスタードクリームはかたくて滑らかではないため、使用前に泡立て器で混ぜます。
冷蔵庫から出したばかりのクレームパティシエールをボウルに入れ、泡立て器ですり混ぜます。クリームにつやが出て、なめらかになるまで混ぜます。
ハンドミキサーを用いて混ぜると、空気を含んだふんわりとしたクリームになります。

クレームダマンドとクレームパティシエールの重さをそれぞれ計ります。これらは2:1で合わせるのが基本です。
クレームダマンド:クレームパティシエール=2:1
クレームダマンド285gとクレームパティシエール142gを混ぜ合わせます。

保存期間・保存方法
クレームダマンドとクレームパティシエールはどちらもしっかりとラップなどで密封し、冷蔵庫で保存してください。
消費期限は作ってから48時間以内です。
タルトへの応用法
クレームダマンドとフランジパーヌはどちらもタルトの土台として使うことができます。
- タルト生地とともに焼成する場合
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タルトブルダルーやタルトアマンディーヌ、ミルリトン、コンヴェルサシオン、ジャルジーなどのタルトはタルト生地と一緒にオーブンで焼きます。
クロワッサン・オ・ザマンドもクロワッサンに塗り、オーブンで焼きます。
タルト生地を型に敷き、クレームダマンドやフランジパーヌを詰め、切った洋梨を並べます。オーブンで焼成します。
Exempleタルトブルダルータルト生地を型に敷き、クレームダマンドやフランジパーヌを詰めます。切った洋梨を並べ、オーブンで焼成します。
- クレームダマンドをタルトの土台とする場合
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クレームダマンドを土台とする場合はクレームパティシエールを絞ります。
主に、新鮮な果物を使うタルト・オ・フリュイで見られます。フランスではこの土台が定番です。
Exempleタルト・オ・フリュイタルト生地を型に敷きます。フランジパーヌを底に絞り出します。オーブンで焼成します。
土台の上にクレームパティシエールを絞り、フルーツを並べます。
クレームパティシエールを絞ります - フランジパーヌをタルトの土台とする場合
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フランジパーヌを土台とするタルトは、クレームパティシエールは加えません。同じく、タルト・オ・フリュイで用いられます。
現在のフランスではこのフランジパーヌを土台とするタルトも増えているように感じます。
Exempleタルト・オ・フリュイタルト生地を型に敷きます。フランジパーヌを底に絞り出します。オーブンで焼成します。
土台の上にジャムを塗り(なくても構いません)、フルーツを並べます。
フランジパーヌの土台
ガレットデロワやピティビエなどのパート・フィユテ生地に詰める場合は、クレームダマンドとフランジパーヌのどちらも使うことがありますが、フランジパーヌを使うことが多くなっているようです。
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