パピヨットはフランスのクリスマスには欠かせないお菓子のひとつで、11月中旬になると街のあちこちに姿を見せます。
この記事では、パピヨットがどんなお菓子なのかを詳しく説明するとともに、絹織物で盛んなリヨンで誕生した由来を紹介します。
パピヨットとは?
パピヨットとは、クリスマスの時期に出回るチョコレート菓子(ボンボンショコラ)で、両端がヒラヒラした金色の包装紙に包まれています。中にはチョコレートと一緒に、なぞなぞや冗談、詩やことわざが書かれた紙が入っているのが特徴で、さらに小さな爆竹が仕込まれているものもあります。




主に、クリスマス時期にのみ出回り、11月中旬になるとパピヨットがスーパーやパティスリーなどにたくさん並びます。
プラリネやガナッシュの入ったチョコレートボンボンが主流ですが、トリュフやフルーツゼリー(パート・ド・フリュイ)などもあります。
中に包まれているメッセージには以下のようなものがあります。
Le plus grand secret pour le bonheur, c’est d’être bien avec soi.
幸せの秘訣は自分自身に満足することである。
La vie, ce n’est pas d’attendre que l’orage passe, c’est d’apprendre à danser sous la pluie.
人生とは、雷雨が過ぎるのを待つのではなく、雨の中ダンスを習うようなものである。
Il n’est pas d’hiver sans neige, de printemps sans soleil, et de joie sans être partagée.
雪のない冬はなく、太陽の光のない春はなく、共有されない喜びはありません。
フランス語の名前
- Papillote
-
[papijɔt] パピヨット / フランス語
パピヨットの構成
分類 | チョコレート/ボンボン/砂糖菓子 |
構成 | チョコレート プラリネ |
材料 | チョコレート ヘーゼルナッツ アーモンド 粉ミルク 砂糖 |

パピヨットが誕生した由来
時代 | 1790年(18世紀) |
国 | フランス |
地域 | オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏 |
町 | リヨン・テロー地区 |
人物 | パピヨ(Papillot) |
パピヨットが最初に考案されたのは、フランス革命が勃発した翌年のことでした。
1790年、リヨンの中心のテロー地区で佇む小さなパティスリーがありました。リヨンはその当時、絹織物工業が盛んでテロー地区でもたくさんの職人の工房がありました。
パピヨ氏の店で不思議なできごとが起きました。
ある晴れた朝、パピヨ氏は店のお菓子がなくなっていくことに気づきます。驚いたことに、次の日も同じようにお菓子がなくなっていました。彼は最後の仕事を終えたある晩、店の奥でこっそりと待ち構えました。
すると、真夜中になって、彼の弟子が忍び込んできて、お菓子を盗もうとしていました。
パピヨ氏が問い詰めると、弟子は近くの絹織物工房で働く女の子に恋をしていて、チョコレートにメッセージを添えて贈っていたと白状しました。
パピヨ氏はその理由に感動し、弟子を許すことにしました。
- という感動話にしていますが、実際にはこの弟子は解雇されました。
パピヨ氏はその時ひらめきました!甘い言葉の代わりに、引用文や諺、なぞなぞを書いた紙でチョコレートを包むことを考えついたのです。
これが現在のパピヨットの始まりです。
時は流れ、およそ100年後。リヨンでは4人のショコラティエがパピヨットの伝統を引き継いでいました。
1898年、レヴィヨン(Révillon)が開業し、その6年後にはリヨンで最も著名なショコラティエのひとりに躍り出ました。レヴィヨンでは1965年までは手作業でチョコレートを包んでいました。そして1971年、リヨンから隣のロワール県に拠点を移しました。
レヴィヨンは今でもなおパピヨットを作り続けている有名なメーカーです。

また、1897年創業のリヨンの老舗ショコラティエであるヴォワザン(Voisin)でも毎年11月に入るとパピヨットの製造が始まります。ヴォワザンはリヨンの銘菓クッサンドリヨンを考案した店としても有名です。
下記の動画で、ヴォワザンのパピヨットの製造風景がご覧いただけます。
パピヨットが出まわる時期
季節 | 冬 |
イベント | クリスマス |