昨年のクリスマス前にドライフルーツの洋酒漬けを仕込みました。わたしはレーズンとイチジクをブランデーに漬けました。
ドライフルーツの洋酒漬けとは、ドライフルーツに洋酒を注いで浸漬させたもので、お菓子に加える具材として利用します。ドライフルーツだけでも美味しいのですが、洋酒を加えることでお酒の風味と香りが楽しめます。大人のデザートとなります。
今回はドライフルーツの洋酒漬けのレシピを紹介します。併せて、使用するドライフルーツや洋酒の種類、保存期間と浸漬機関による風味の違いについても解説しています。
ぜひ、ドライフルーツの洋酒漬けを試してみてください。
どんなドライフルーツを使う?
ドライフルーツは好みのものを使ってかまいません。たくさんの種類のドライフルーツを使うと風味が広がりよりおいしくできます。
例えば、スーパーや製菓材料店でも以下のようなドライフルーツが揃っているので、好きなフルーツを選んでください。でも、最も手に入れやすいレーズンだけでも洋酒漬けはおいしくなりますよ。
- アプリコット
- パイナップル
- バナナ
- サクランボ
- クランベリー
- デーツ
- いちじく
- キウイ
- マンゴー
- メロン
- パパイヤ
- もも
- プルーン
- 洋梨
- りんご
- ぶどう

どんな洋酒がおすすめ?
洋酒はフルーツが原料のリキュールや蒸留酒などのアルコールと相性がよく、アルコール度数が40〜50%程度のものがよいです。
主にブランデーやキルシュは果物からできており、ラムはサトウキビ由来なため、ドライフルーツとも相性がいいです。
- ブランデー
-
ブランデーは赤ワインまたは白ワインを蒸留して熟成させた蒸留酒のことです。アルコール度数は40〜50度です。
コニャックは、フランスのコニャック地方で生産されるブランデーの一種です。アルマニャックはフランス南西部(昔のアルマニャック地方)で醸造されるブランデーのことで、辛口の白ワインを蒸留して作られます。コニャックとアルマニャックは世界的にも有名なブランデーです。
- キルシュ Kirsch
-
キルシュは発酵させたさくらんぼの果肉、果汁、種子を蒸留して作られるアルコール度数40~60度の蒸留酒です。キルシュはドイツ語の「さくらんぼ」を意味する « kirsche » に由来しています。
キルシュはお菓子作りには欠かせない蒸留酒で、フォレノワールなどのジェノワーズの香りづけ、フルーツの浸漬にも利用されます。
- ラム
-
ラムはカリブ海地域発祥の蒸留酒で、糖蜜を発酵させて蒸留したもの、もしくはサトウキビの発酵液を蒸留して作られます。アルコール度数は40〜50度です。
カリブ海地域の中でもキューバが古くからラムを生産しており、ハヴァナクラブ(Havana Club)やバカルディ(Bacardi)が有名ですが、フランス領のグアドループやギアナでも生産されています。
ラムはババオラムやフルーツケーキなど多くのお菓子の香りづけとしても人気です。
そのほかにも以下のような蒸留酒・リキュールがおすすめです。
- カルヴァドス
-
カルヴァドスはりんごや洋梨の発泡酒を蒸留して作られるフランスのノルマンディー地方の蒸留酒です。アルコール度数は40〜45℃です。
りんごが原料なため、りんごを用いたお菓子の香りづけに用いられることが多いです。
- 焼酎
-
焼酎は日本の蒸留酒で、米や麦、芋、黒糖、粕取り、蕎麦、栗、米麹などを蒸留して作られます。
一般的な焼酎はアルコール度数が20度か25度が多いため、長期保存はせずに果物が漬かったらすぐに消費しましょう。
- ウォッカ
-
ウォッカはロシアやポーランドなどが原産で、大麦や小麦、ライ麦、ジャガイモなどの穀物を原料とした、ほぼ無味無臭無色の蒸留酒です。アルコール度数は40度以上です。
カクテルとして楽しむことが多く、無味無臭のためフランスではお菓子の香りづけとしてはあまり用いられません。ドライフルーツ漬けの場合は、ホワイトリカーのような役割となり、果物の味がストレートに味わえます。
- コワントロー
-
コアントローは甘くて苦いオレンジの皮から作られたリキュールで、アルコール度数は40度です。コワントロー(Cointreau)はフランスのリキュールのブランド名です。
オレンジや柑橘系のお菓子の香りづけに用いられます。
- グラン・マルニエ
-
グラン・マルニエはビターオレンジで作るフランスのリキュールで、アルコール度数は40度です。グラン・マルニエ(Grand Marnier)もブランドの名前です。
クレープシュゼットのソースやカクテルとして楽しまれています。

レーズンのブランデー漬けのレシピ
実際に、ブランデーにレーズンを漬ける手順を説明します。レーズンの代わりに好きなドライフルーツ、ブランデーの代わりに好きな洋酒で試してみてください。
- 瓶と蓋
- 鍋
材料
- レーズン 100g
- ブランデー 200ml
- 目安の分量を上記に書きましたが、ドライフルーツは用意した瓶の7分目まで入る量、洋酒はそのドライフルーツがヒタヒタになる分量が必要です。
手順
容器を煮沸します
鍋に水を入れ沸騰させます。沸騰させたお湯の中に瓶とフタを入れ、そのまま沸騰させます。5分程度沸騰させたら、瓶とフタを出し、口を下にして乾燥させます。

ドライフルーツを湯通しする場合はこの時点で行います。
ドライフルーツを詰めます
瓶にドライフルーツを詰めます。瓶の7分目くらいまで詰めます。

ブランデーを注ぎます
ドライフルーツの上にブランデーを注ぎます。ドライフルーツがしっかりと浸るまで加えます。

しっかりと蓋をして、日の当たらない所に保存します。
浸漬時間・保存期間
長期保存するためには蒸留酒のアルコール度数が40度が必要となります。40度以下のアルコールでつける場合は果物が漬かったらすぐに使いましょう。
早ければ、2〜3日後には洋酒の風味がドライフルーツに移っているため、使用することができます。また、最大1年ほど保存することができます。
- 1ヶ月保存
-
ブランデーのアルコール分や香りが残っており、洋酒の香りや風味も楽しむことができます。ドライフルーツは少し硬めで、ブランデーの漬込みが浅いです。
- 10ヶ月保存
-
アルコール分は少し残っていますが、まろやかで深みのあるフルーツを味わうことができます。ドライフルーツにもしっかりとブランデーが染み込んでいます。
1か月ごとにドライフルーツを試食してみて、好みの時期を調べてみるのもいいと思います。
こちらの記事で、1ヶ月目と10ヶ月目のブランデー漬けドライフルーツ入りのパウンドケーキを作って、味や香りを比べてみました。
FAQ
ドライフルーツの洋酒漬けの使いかた
洋酒に漬けたドライフルーツはお菓子の具材として用います。
パウンドケーキやブリオッシュ、サブレの具材として加えるのがおすすめです。シュトーレンやファーブルトンなどドライフルーツが使われるのが一般的ですが、洋酒漬けのドライフルーツに置き換えることもできます。
また、シロップに加えるリキュールの代わりとして用いることもできます。ジェノワーズやビスキュイに染み込ませるシロップにドライフルーツを漬けた洋酒を加え、香りと風味をつけることができます。
例えば、以下のようなお菓子に用いるのがおすすめです。

ぜひ、試してみてね。
コメント