フレジエは夏の始まりを感じるさわやかなケーキで、フランスでも人気です。
この記事では、フレジエとはどんなケーキか、材料や季節、誕生した由来について詳しく解説しています。
フレジエとは?
フレジエはジェノワーズ生地にいちごとクリームを挟んだアントルメのことです。フランスではいちごの旬を迎える春によくみられるケーキです。
土台の生地はジェノワーズ生地だけではなくビスキュイ生地を使ったり、クリームはバタークリームやクレームパティシエール、ムースリーヌクリームを使うなど様々なバリエーションがあります。
フレジエを作る工程は、ジェノワーズ生地を型の底に敷き、いちごの断面が見えるように並べてクリームを詰めます。土台にはクレームムースリーヌやクレームディプロマットを使います。
伝統的には、表面に薄く伸ばしてピンクに色付けしたマジパンをかぶせます。マジパンとは砂糖とアーモンドパウダーを練り合わせた生地で、人形などを作ったりと細工に用いられます。


フランス語の名前
- Fraisier
-
[fʁɛzje] フレジエ / フランス語
フレジエの構成・材料
分類 | パティスリー/アントルメ |
構成 | スポンジ生地/ジェノワーズ生地 バタークリーム/ムースリーヌクリーム 苺 マジパン |
材料 | 小麦粉 卵 砂糖 牛乳 バター いちご マジパン(アーモンド/砂糖/卵白) |


フレジエの歴史・由来
フレジエは、今日わたしたちが知っているそれになるまでに何度かの進化を遂げています。
まず、苺ではなくフレジエではなくフレジエ・デ・ボワ(Frasier des bois)という野苺を使っていました。フレジエ・デ・ボワは1900年にピエール・ラカン(Pierre Lacam)の書いた 『菓子の歴史・地理的回想録(Mémorial historique et géographique de la pâtisserie』に初めて出てきました。
この本の中に、フレジエ・デ・ボワとはキルシュで湿らせたジェノワーズに野苺と泡だてた生クリームを挟んで、薄い桃色のフォンダンと野苺とピスタチオを飾ったお菓子と書かれてあります。
このお菓子は現代の私たちが知っているようなクラシックなフレジエに近いものです。
その後、1960年代にガストン・ルノートル(Gaston Lenôtre)がバガテル(la Bagatelle)というお菓子を作りました。それはピスタチオのジェノワーズにバニラ風味のムースリーヌ、フランボワーズのクーリと苺を挟んだアントルメのことです。これはほぼ現在のフレジエと同じです。
このバガテルを参考にして現在のフレジエが作られました。
オリジナルのフレジエはクレームパティシエールにバターを合わせたムースリーヌを挟むのが主流でしたが、今では軽い食感のものが好まれ、代わりに泡だてた生クリーム(Crème fouettée)を用いることが多くなりました。

フレジエの季節
フランスでのいちごの旬は5〜7月で、その時期になるとイチゴを使ったケーキ類が並びます。とはいえ、外国から輸入したイチゴなどはそれ以外の季節にも出回るため、一年中フレジエが並ぶこともあります。
フランボワジエとの関係は?
フレジエの苺がフランボワーズになると、フランボワジエといいます。フランボワジエ « Framboisier » もパティスリーの人気者で、春から夏にかけて出回るようになります。
