フランスの通信制大学とは?

フランスの大学に入学するには通学制が一般的ですが、フランスにも通信制の大学という選択肢もあります。

主に、遠方に住んでいる人、働いている人、障害のある人向けに開かれています。もちろん、フランス以外の国に住んでいる場合でも通信制として大学に入学することができます。(日本ももちろん対象です)

フランスの通信制大学はずっと前の1960年代に始まったそうです。(ネットが普及し出した頃に始まったのかと思っていました)

フランスには遠隔で授業を受けることのできる教育のことをフランス語で Enseignement à distance(通信教育)と言います。

語学・文学・法律・経済経営・金融・マーケティング・社会学・歴史・美術史・情報科学・哲学など文系が多いですが、ワインや旅行などもあり、学士・修士・博士などの称号が取得できます。取得できる資格は通学制と同じものです。

目次

どんな人が対象になる?

通信制大学は、大学に通学するのが困難な学生のための制度です。

通学が困難な場合とは、遠方に住んでおり通学できない人、仕事をしている人、ハンディキャップがある人、ハイレベルなスポーツ選手などが挙げられます。

「遠方に住んでいる」という条件には外国も含まれ、フランス以外に住んでいる外国人(フランス人以外)も受講することができます。フランスの大学と日本とでは提携があるそうで、日本に住んでいる日本人も入学し、学位も取得できます。

授業はどうやって受ける?

大学によっても異なりますが、PDFの書面を用いた授業、オンラインを用いたワークショップ、ビデオ授業などを通して講義を受けます。

通学制の大学と同じ時期に始まり、週に20時間ほどの授業があり、バカンスや試験もあります。つまり、9~10月に新学期が始まり、1~2月に前期試験、5~6月に後期試験を受け年次が終わり、次の年次も9~10月に始まります。

学部・学科によっては現地での補習があることもあります。また、講義が始まる前にレクレーション的な講義がある学部もあります。

完全に自宅にこもって授業を受けるのではなく、大学に行くこともあり、他の学生との交流もあるようです。

試験はどこで行われる?

試験は前期・後期末に現地で行われ、遠隔では行われません。

試験は数日間にわたって行われるため、宿泊が必要となるとのことです。前期末は1月ごろ、後期末は5〜6月ごろに試験が行われるため、その時期は数日間予定を空けておかなければいけません。試験日程は試験の3週間ほど前に告知されます。

どの大学を選ぶことができますが、年に2回は現地へ行く必要があるため、なるべく近くの大学を選ぶといいかなと思います。フランスの場合、公共交通機関のストライキも予期せずあるし、遅延もあるので余裕を持って予定を組むことをおすすめします。

ただ、フランス以外で授業を受けている場合は、その国の指定された施設で試験を受けることもできる施設があります。

日本で受講している場合は、日本の指定の施設で試験を受けることになり、フランスに行く必要はありません。

大学の学費は?

フランスの公立大学(通学制)の年間学費は、フランス人やEU在住の学生は登録料のみで、学士課程で 170 €です。しかし、EU以外の学生(日本含む)の学費は学士課程で 2,770 €、修士・博士課程で 3,770 €となります。

通信制の場合は、公立大学で 300~600 €ほどです。学部や学科などによって学費は異なります。

フランスの公立大学は日本の大学に比べると、円安の中でも比較的学費が抑えられますが、通信制だとさらに抑えることができます。

以上、フランスの通信制大学について説明しました。フランスで働きながら大学の学位を取りたい方はもちろん、日本にいながらフランスで大学に進学したい方のひとつの方法だと思います。

ぜひ、参考にしていただければ嬉しいです。

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