クレーム ムースリーヌはクレームパティシエールから作られるクリームで、フランス菓子ではアントルメなどに頻繁に使われます。
この記事では、フランスで現役パティシエールの著者がクレーム ムースリーヌの基本のレシピとそのアレンジ方法、お菓子への用途を解説します。
クレーム ムースリーヌとは?
クレーム ムースリーヌとはクレームパティシエール(カスタードクリーム)にバターを加えたクリームのことです。バターの量はクレームパティシエールの1/3量が目安です。
軽くて口溶けがよく、バターが入っていることでしっかりとして固定するので、アントルメのクリームとして用いられます。
また、リキュールやバニラで香りをつけたり、コーヒーやキャラメル、ショコラ、フルーツ、プラリネで風味をつけることもあります。
下記のレシピで、プラリネで風味をつける場合の作り方を解説しています。
フランス語の名前
- Crème mousseline
-
[クレーム ムースリーヌ] クレームムースリーヌ、ムースリーヌクリーム / フランス語
どんなお菓子につかう?
主に、フレジエやフランボワジエ、パリブレスト、トロペジェンヌなどのアントルメに用います。
シュー生地を用いるクラカンブッシュやエクレア、ルリジューズにクレームパティシエールの代わりに使うこともあります。サヴァランのクリームにも用いることがあります。
また、バターを用いるクリームのため、クレーム・オ・ブールの代わりに使うこともあります。

クレーム ムースリーヌのレシピ
調理時間:35分
冷蔵時間:1時間30分〜2時間
材料
- 牛乳 250g
- 卵黄 40g(卵2個分)
- グラニュー糖 45g
- コンスターチ 15g
- 薄力粉 15g
- 無塩バター 120g
- バターの量はクレーム・パティシエールの重さの1/3量を目安にしてください。
- バターは混ぜる30分ほど前に冷蔵庫から出しておきます。
バター = クレームパティシエール × 1/3
必要な道具
- 片手鍋
- 泡立て器
- スパチュール/ヘラ
- ボウル
- ラップ
- 皿
- 卓上ミキサー / 電動ミキサー / 泡立て器
- ワイヤーホイップ・平面ビーター
- スケッパー
クレーム ムースリーヌの作り方
クレーム ムースリーヌ = クレーム パティシエール + バター
片手鍋に牛乳を入れ、中火にかけます。沸騰させないように温めます。

牛乳を温めている間に、ボウルに卵黄と砂糖を入れ、泡立て器ですり混ぜます。ボウルの側面に泡立て器をあて、ぐるぐると円を描くように混ぜます。

卵黄と砂糖の生地が白っぽくなったら、薄力粉とコンスターチを加えてすり混ぜます。白っぽくもったりとした生地になります。

温まった牛乳の1/3量をボウルに流し入れ、泡立て器で混ぜます。牛乳が混ざったら、ボウルの液を鍋に戻します。

片手鍋を中火にかけながら、泡立て器で混ぜていきます。 はじめはさらっとした液体ですが、次第にクリームにとろみがついてきます。クリームが重くなりますが、止めずに混ぜ続けましょう。
混ぜ続けているとクリームが沸騰して「ポフッ」と気泡がでてきます。その気泡ができてから、1分間火にかけたまま混ぜ続けます。これでクレームパティシエールの出来上がりです。

鍋を火から外し、ラップの上にクリームを流し入れます。ラップで密封して、冷蔵庫で1時間冷やします。
急速に冷やしたい場合は、カスタードクリームをなるべく薄く平らにしてラップに包みます。クリームの上下にアイスマットを置き、冷蔵庫に入れて冷やします。

冷やしたクレームパティシエールはかたくて滑らかではないため、使用前にミキサーで混ぜます。
クレームパティシエールをボウルに入れ、ミキサーで混ぜます。クリームにつやが出て、なめらかになるまで混ぜます。
卓上ミキサーの場合は平面ビーターをつけて、中速で混ぜてください。

冷たいバターをスパチュールでつぶし、やわらかく滑らかにします。
バターがやわらかすぎると、できあがりのクリームもやわらかく緩くなるため、固いバターをほぐすようにしてください。

クレームパティシエールにバターを少しずつ加えて、泡立て器で混ぜ合わせます。
卓上ミキサーやハンドミキサーを使う場合は、ワイヤーホイップを装着して中速で混ぜます。
始めはゆるめのクリームですが、次第に白っぽくしっかりとしたクリームになります。クリームを持ち上げて、しっかりとツノが立つようになったら、混ぜるのを止めます。


出来立てのムースリーヌクリームはバターがゆるくなっているので、絞りにくくなっています。クリームを絞り袋やボウルに入れて冷蔵庫で30分〜1時間冷やします。

クレーム ムースリーヌのアレンジ
クレーム ムースリーヌにはさまざまなアレンジがあり、リキュールやバニラで香りをつけたり、コーヒーやキャラメル、ショコラ、フルーツ、プラリネで風味をつけることがあります。
今回は、プラリネのペーストを加えるアレンジを紹介します。ほかのアレンジも同じタイミングで材料を加えます。
プラリネのペーストとは、アーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ類と砂糖をすりつぶしてペースト状にしたもの。
アレンジの材料
- クレームムースリーヌ 485g
- プラリネペースト 65g
- 上記で作ったクレームムースリーヌの材料に、65gのプラリネペーストを加えます。
- プラリネはバターの1/2量を目安にしてください。
プラリネペースト = バター × 1/2

アレンジを加える手順
上記のクレームムースリーヌの手順の⑨の続きから始めます。クレームムースリーヌはこの時点では冷やす必要はありません。
プラリネを加え、全体に混ざったら、できあがりです。

できあがったクリームを絞り袋やボウルに入れ、冷蔵庫で30分〜1時間休ませます。
出来立てのクリームはバターがゆるく、絞りにくくなっているので、冷やしたあとに使いましょう。ただ、長時間冷やすとバターが固まりますので、冷蔵庫に入れるのは1時間程度が目安です。
ぜひ、試してみてね。
保存期間・保存方法
クレームパティシエールはしっかりとラップで密封し、冷蔵庫で保存してください。
消費期限は作ってから48時間以内です。
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