近世時代のお菓子に関する年表をフランス中心にまとめています。近世時代は百年戦争終結及びビザンツ帝国滅亡の1453年からフランス革命の起こった1789年までとしています。
15世紀中旬〜(1453年〜1500年)
- 1461年
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ルイ11世がフランス王に即位(〜1483年)
この即位を祝い、ブルゴワン=ジャイユーで紅白のブリオッシュが作られた - 1472年
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ペストが流行する
- 1485年
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同業者組合の守護聖人であるサン=ミシェルの日などの祝日は休業することが法令で定められた
- 1486年
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タイユヴァン『ヴィヤンディエ』の印刷本刊行/フランス最初の活版印刷による料理技術書の印刷
- 1492年
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クリストファ・コロンブスによる新大陸発見
16世紀(1501年〜1600年)
- 1500年
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サヴォワ公国の料理長ラトゥールがデザートとして栗を用いた
- 1505年
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イタリアのプラーティナ・ド・クレモーナ『高雅なる快楽と健康について』のフランス語版を刊行し、大成功した
- 1515年
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フランソワ1世がフランス王に即位し、ルネサンスを導く
- 1517年
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ルターによる宗教改革が始まる
- 1530年
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イタリアのシチリア島カターニアのあるシチリア人が中国のレシピを元に氷菓を製造
- 1532年
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フランソワ・ラブレー『バンタグリュエル物語』刊行
- 1533年10月28日
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カトリーヌ・ド・メディシスが後のアンリ2世と結婚
この婚姻によりイタリアから氷菓や砂糖菓子が伝わる - 1534年
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フランソワ・ラブレー『ガルガンチュア物語』刊行
- 1540年
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カトリーヌ・ド・メディシスの料理人ポペリーニ(Popelini)がシュー生地を考案
- 1547年
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アンリ2世がフランス王に即位(〜1559年)
- 1555年
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ノストラダムス『化粧品とジャム論』刊行
ジャムやジュレ、シロップのレシピが書かれてある - 1559年
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フランソワ2世がフランス王に即位(〜1574年)
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南仏ヴィルヌーヴでオリヴィエ・ド・セールが農場経営を始める
- 1560年
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シャルル9世がフランス王に即位(〜1598年)
- 1562年
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宗教戦争(ユグノー)は始まる(〜1598年)
- 1564年
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シャルル9世が1年の始まりを1月1日と定める
- 1566年
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ウブリエ職人を菓子職人(パティシエ)とした
菓子職人の見習いの期間を5年とした
菓子職人は肉や魚、チーズのパテ(pâtés)を作る独占的な特権を持つなどの規則が定められた
- 1567年
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パティスリーの同業組合が結成された
- 1570年頃
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南仏でとうもろこしの栽培始まる
- 1580年頃
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上流階級でフォークの使用が普及しはじめる
- 1585年
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カカオ豆がメキシコのベラクルスからスペインのセビーリャに公式に届く
- 1594年
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オリヴィエ・ドゥ・セールがインゲン豆の栽培に言及
- 1600年
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オリヴィエ・ドゥ・セール『農業経営論』出版
- 1600年12月17日
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メディチ家マリー・ド・メディシスとアンリ4世と結婚
17世紀(1601年〜1700年)
- 1604年
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料理長ランスロ・ド・カストー『料理の始まりL’Ouverture de cuisine』刊行
パット・ド・ジェーヌ、シナモンスティック、マジパン、香辛料で香り付けしたプチフール、ピスタチオのヌガー、ベニエ、ペ・ド・ノンヌ、小さく焼いたシュー、フアス、マーマレードについての記載あり - 1615年
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スペイン王女アンヌ・ドートリッシュがルイ13世と結婚
チョコレートを飲む習慣が伝わったと言われている - 1638年
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菓子職人で詩人のラグノーがパリのサン=トノレ通りの屋台「王の近衛騎兵にて」でアマンディーヌを考案
- 1643年
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ルイ14世がフランス王に即位(〜1715年)
- 1651年
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フランソワ・ピエール・ラ・ヴァレンス『フランスの料理人』出版
- 1653年
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ラ・ヴァレンヌ『フランスの菓子職人』出版
折込パイ生地、ブリゼ生地、シュー生地についての記載あり - 1654年
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ニコラ・ドゥ・ポンヌフォン『田園の楽しみ』出版
- 1656年
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ピエール・ド・リュンヌ『料理人』刊行
- 1660年
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フランソワ・ヴァテールがシャンティイのコンデ城でシャンティイクリームを考案
ラ・ヴァレンヌ『体系的料理人』刊行
- 1660年6月9日
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マリー・テレーズ・ドートリッシュとルイ14世の結婚式がサン=ジャン=ド=リュズで行う
この結婚式がきっかけでサン=ジャン=ド=リュズでマカロンを作られる - 1661年
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財務大臣フーケが失脚し、フランソワ・ヴァテールはロンドンへ避難
- 1662年
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ヴェルサイユが王都となる
- 1663年
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フランソワ・ヴァテールがコンデ公に仕える
ラ・ヴァレンヌ『完全なるジャム職人』刊行
- 1670〜80年
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マルティニック島でカカオの木の栽培を始める
- 1671年4月24日
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ルイ14世を招いた大饗宴にて、フランソワ・ヴァテールは晩餐の魚が届かず、料理が提供できないこと絶望し、剣で自らの命を断つ
- 1683年
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オスマン軍によるウィーン包囲
- 1686年
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シチリア人プロコピオがパリのアンシャン・コメディ通りに最初のカフェであるル・プロコープを開店
茶、コーヒー、ショコラ(ホットチョコレート)、アイスクリーム、ビスキュイを提供 - 1691年
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マシャロ『王室とブルジョワ家庭の料理人』出版
カスタードクリームが登場 - 17世紀末
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中央アメリカのアンティル諸島でサトウキビのプランテーションが始まる
18世紀末まで(1701年〜1789年)
- 1712年
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マシャロ『新・王室とブルジョワ家庭の料理人』刊行
- 1713年
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サヴォワ公国のヴィットーリオ・アメデーオ2世の代にユトレヒト条約でシチリア国王になることで正式の王号を獲得
これを記念してサン=ジュニ・シュル・ギュイエでは2月5日の聖女アガタの記念日に乳房の形をしたブリオッシュを作成 - 1715年
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ルイ15世がフランス王に即位(〜1774年)
「カフェ・ド・ラ・レジャンス」新装開業
- 1733年
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ヴァンサン・ドゥ・シャペル『現代の料理人』出版
- 1739年
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マラン『コムスの贈り物』出版
- 1740年
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スタニスラス王がフランスにババを伝える
- 1746年
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ムノン『ブルジョワ家庭の女料理人』出版/チョコレート菓子やクリームなどについて言及
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イタリアでフランジパンが考案される
- 1750年
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ムノン『砂糖菓子の科学』刊行/砂糖の加熱による変化について言及
- 1751年
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『百科全書』の刊行が始まる(〜1772年)
- 1755年
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ロレーヌ地方コメルシーのスタニスラス王の城でマドレーヌが作られた
ムノン『宮廷の夜食』出版
- 1760年
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フランスに王立チョコレート工場設立される
菓子職人のジャン・アヴィスがシュー生地とラムカン型を考案
- 1765年
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シャン・ドワゾーが健康なブイヨンを提供する「レストラン」を開業
- 1770年
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マリー・アントワネットがルイ16世と結婚
オーストリアからクグロフなどの菓子が伝わる - 1774年
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ルイ16世がフランス王に即位(〜1791年)
- 1776年
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テュルゴーの改革によりギルド(同業者組合)制の廃止(同年失脚により改革失敗)
- 1778年
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モンテリマールにヌガー製造工場を設立
- 1780年
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イギリスで産業革命が始まる
- 1782年
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パリで最初の本格的なレストラン「グランド・タヴェルヌ・ド・ロンドル」が開業
- 1783年
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アントナン・カレーム誕生(〜1833年)
- 1786年
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パリの現在のサント=アンヌ通りに「トロワ・フレール・プロヴァンソー」開業
- 1789年
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バスティーユ監獄襲撃/フランス革命勃発
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