シャルロットとはビスキュイ生地を土台にし、ババロアや果物を詰めた冷たいアントルメです。
弾帯状と円状にビスキュイ生地を絞って、側面と底の土台として、その中にババロアを流し、果物やソースを詰めて、表面に果物を飾ります。苺・フランボワーズ・ブルーベリー・ブラックベリーなどの赤い実の果物や洋梨などの果物のシロップ漬けを使います。
名前
- Charlotte
-
[ʃaʁlɔt] シャルロット / フランス語
- Charlotte aux fruits
-
[ʃaʁlɔtofʁɥi] シャルロット オ フリュイ / フランス語
「フルーツ入りシャルロット」という意味
種類・構成
分類 | パティスリー/アントルメ |
構成 | ビスキュイ生地/ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール ババロワ フルーツ |
材料 | 小麦粉 卵白 砂糖 生クリーム 牛乳 卵黄 ゼラチン フルーツ |
誕生した時代・場所・人物
時代 | 1976年(20世紀) |
国 | フランス |
地方 | イル=ド=フランス地域圏 |
町 | パリ |
人物 | ガストン・ルノートル (Gaston Lenôtre) |
歴史・由来
シャルロットという名前は、グレートブリテン王国ジョージ3世の妻で王妃でもあるソフィア・シャーロットに由来しています。
彼女は流行の服を身につけていて、ギャザーと羽の付いた大きくて厚みのある帽子を好んでいました。その帽子の形にこのお菓子が似ていたためシャルロットと名付けられました。
実は、この頃に作られていたシャルロットは現在のものとは全くの別の物でした。細かく切ったパンを溶かしバターに浸し、型の側面と底に並べ、その中にりんごのコンポートを詰め、ライムとシナモンで香り付けして、焼いて作っていました。
その後、マリー=アントワーヌ・カレームがシャルロットのレシピを変えました。
彼は土台のパンをビスキュイ・ア・ラ・キュイエールに、中身をりんごのコンポートからバニラ風味のババロアチーズに置き換えました。チーズはフレッシュチーズのことで、ソースにとろみをつけるために加えられました。当時はまだゼラチンは発明されておらず、ソースを固める方法としてチーズを用いていました。さらには冷蔵設備もないため、食べる直前までの40分間氷水の中で冷やしていました。
さらに、カレームはシャルロットのレシピのバリエーションを広げ、ビスキュイ・ア・ラ・キュイエールの代わりにクロケットを用い、バニラのブランマンジェを詰めたフランス風シャルロットやラム酒に浸したスポンジ生地とプロンビエールクリームで作るイタリア風シャルロットを考案しました。
バヴァロワが登場してきてから、シャルロットはさらに進化をしていきます。
19世紀後半から20世紀初めにかけて、オーギュスト・エスコフィエはモスコヴィートというクリーム、クレーム・シャンティイや果物のピュレを中に詰めることを考案しました。
1976年、ガストン・ルノートルはバヴァロワを生み出し、アングレーズクリームにシャンティイクリームでとろみをつけ、ゼラチンで固めて作りました。これはバヴァロワのことで、さらに苺を加えたシャルロットも作り出しました。
それ以来、シャルロットのレシピは変わっていません。現在でもパティシエの学校で習う基本的なアントルメのひとつです。
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