ビューニュはカーニバルやマルディグラの時期に食べられているベニエ(揚げ菓子)の一種です。

主に、リヨンやサンテティエンヌなどのローヌ=アルプ地域圏、さらにはグルノーブルやフランシュ=コンテ地域圏、オーヴェルニュ地域圏、プロヴァンスで作られます。

目次

名前

Bugne

[byɲ] ビューニュ / フランス語
「揚げ菓子」という意味のリヨンで使われていた古いフランス語(bugni)に由来

Bugne lyonnaise

[byɲ ljɔnɛz] ビューニュ リヨネーズ / フランス語
「リヨンのビューニュ」という意味

ビューニュの種類

Bugne craquante

[byɲ kʁakɑ̃t] ビューニュ クロッカント / フランス語
薄く伸ばしたパリパリタイプ:薄く伸ばした生地を長方形に切り、油で揚げて粉砂糖を振りかけます

Bugne moelleuse

[byɲ mwaløz] ビューニュ モエルーズ / フランス語
こんにゃく結びのふわふわタイプ:厚めに伸ばした生地をひし形に切り、真ん中に穴をあけ、その穴に生地の端をくぐらせて作ります。結びこんにゃくのような形です。

構成

分類パティスリー/ベニエ
構成ベニエ生地

粉砂糖
材料小麦粉



バター

砂糖



粉砂糖

誕生した時代・場所・人物

ビューニュのような揚げ菓子は古代ローマ時代から、各地で作られていました。以下はリヨンのビューニュの誕生した時代や場所の一覧です。

時代16世紀までに誕生
フランス
地方オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏
リヨン
人物修道士

歴史・由来

ビューニュの起源は古く、古代ローマ時代からカーニバル時期に食べていました。

このカーニバルの時期が終わると、キリスト教では四旬節と呼ばれる40日間の節食生活が始まります。この期間は「1日1度だけの食事」や「肉や卵、乳製品は食べてはいけない」という厳しいきまりがありました。四旬節を迎える前に盛大なお祭り(カーニバル)を開き、節食が始まる前にたくさん食べて蓄えていました。

リヨンのビューニュの由来

リヨンでは古くからビューニュがあり、16世紀にはサン=ピエール修道院で作られました。1538年にはリヨンのビューニュについて言及された文書がありました。

リヨンでは伝統的に断食期間の最初の日曜日に食べられており、「日曜日のビューニュ」とも呼ばれていました。ビューニュはシャルキュトリー(食肉加工品業)によって作られ、日常的に通りや定期市などで売られていました。

昔、牛乳やバター、卵は加えず、小麦粉にビール酵母、または水に溶かした穀物で生地を作っていました。王冠状に成形し、油で揚げていました。生地にバラ水を加えることもありましたが、当時は小麦粉に酵母を加えただけの甘味のない生地でした。

19世紀に入ると材料が手に入りやすくなってきたため、生地にバターや卵、砂糖を加え、現在とほぼ同じものになりました。リヨンで有名な料理人メール・ファヨール(mère Fillioux)はオリーブオイルで揚げていました。

現在では、リヨンではオレンジの花の水、コニャック、ラム酒、レモンの皮で香り付けした生地を揚げています。カーニバルやマルディグラの時期である2月〜3月中にパティスリーにビューニュが並び、量り売りで購入することができます。マコン(Mâcon)のワインやシャンパーニュと相性が良いと言われています。

季節・イベント

ビューニュはカーニバルとその最終日マルディグラに食べられます。カーニバルとマルディグラは毎年2〜3月に行われる移動祝祭日です。

リヨンでは2月になるとビューニュがパティスリーに並び始め、3月くらいまで続きます。

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