ブリオッシュ・ド・サン=ジュニはサヴォア地方のサン=ジュニ・シュル・ギュイエという町で作られているブリオッシュのことです。ブリオッシュきじに赤く着色したプラリーヌを詰めて、表面にあられ糖を飾ります。
サヴォアの旗の色である赤と白をイメージして、プラリーヌの赤色、あられ糖の白で表現されています。さらに、赤色と白色の羊皮紙で包むのが伝統です。
名前
- Brioche de Saint-Genix
-
[bʁijɔʃ də sɛ̃ ʒəni] ブリオッシュ サン ジュニ / フランス語
- Gâteau de Saint-Genix
-
[gato də sɛ̃ ʒəni] ガトー ド サン ジュニ / フランス語
構成
分類 | 菓子パン/ガトー |
構成 | ブリオッシュ生地 プラリーヌ あられ糖 |
材料 | 小麦粉 卵 バター 砂糖 酵母 塩 赤に着色したプラリーヌ あられ糖 |
誕生した時代・場所・人物
時代 | 18世紀 |
国 | フランス |
地方 | 旧サヴォア地方 (現在のオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏) |
町 | サン=ジュニ・シュル・ギュイエ |
人物 | – |
歴史・由来
ブリオッシュ・ド・サン=ジュニは古く、シチリアの聖女アガタの伝説に由来しています。
シチリアにアガタ(Agathe)という美しい女性が住んでいました。彼女はシチリアを支配していたローマ人の権力者から気に入られていましたが、その意に従わなかったため、キリスト教徒ということを理由に彼女を捕まえてしまいます。その拷問の中でアガタは両方の乳房を切り落とされてしまいます。
しかし、驚くべきことに翌日にはその切り落とされた乳房が復活していました。
さらに、彼女は火あぶりにされることになりましたが、刑が執行されようとした瞬間に地震が起こり、死刑執行人が死んでしまい、彼女は刑をのがれました。
その後、1551年にオスマン帝国がシチリア島近くのマルタ島に侵攻した際に、人々はアガタに祈りをささげました。その祈りが通じマルタ島は守られ、アガタはマルタの守護聖人となりました。なお、切り落とされて復活した乳房から、アガタは鐘職人やパン屋の守護聖人とされています。
当時、サン=ジュニ・シュル・ギュイエ周辺を統治していたサヴォワ家でした。そのサヴォア家が、1713年にスペイン継承戦争によりシチリア王国の王位を獲得しました。
サン=ジュニ・シュル・ギュイエに住む女性たちはこれを記念して、2月5日の聖女アガタの記念日に乳房の形をしたお菓子をつくることにしました。
サヴォアの旗の色である赤と白をつかい、乳房のような丸い形をイメージして作りました。パン生地に砂糖や蜂蜜を加え、プラリーヌを赤く着色し、白い砂糖を飾りました。
赤いプラリーヌとあられ糖をつかったブリオッシュ菓子はサヴォアだけではなく、リヨンなどのフランス南東部で広く作られるようになっています。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] ブリオッシュ・ド・サン=ジュニ […]
[…] ブリオッシュ・ド・サン=ジュニ […]