ブレデルは日本ではあまり知られていませんが、フランスではクリスマスを彩るお菓子として有名です。
この記事では、フランスのマルシェ・ド・ノエルの様子を交えつつ、ブレデルの種類やレシピについて解説します。
ブレデルとは?
ブレデルとはアルザス地方のクリスマス時期に作られる小さな焼き菓子のことです。主にはサブレやクッキーのことを指します。ハートや動物、星、葉っぱなどの形をしていて、60ほどの種類があると言われています。
バターと卵、砂糖で作る生地にレモンコンフィ、砕いたアーモンドを加えて、シナモンやアニスなどで香りをつけます。さらに、小さなパンデピス、シナモンクッキー、バターサブレ、アーモンドやヘーゼルナッツ、クルミを加えた菓子などがあります。

アルザス地方では伝統的に11月からのアドベントの時期に家庭で作っていました。現在ではアルザス地方のビスキュイトリー(ビスケット屋)や全国のマルシェ・ド・ノエルでも販売しています。
アドベントとは11月末からクリスマスイブの12月24日までで、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間とされています。
一説には、14世紀に書かれたレシピがストラスブールで発見されたものが最初のブレデルの痕跡だと言われています。その後、18世紀に一般に広がり、19世紀には型抜きのクッキーが作られるようになりました。


上記の画像のラ・メゾン・アルザシエンヌ・ド・ビスキュイトリー(La Maison Alsacienne de Biscuiterie)のブレデルは、コルマールで製造されていてとても美味しいと評判です。アルザス地方にしか店舗がありませんが、クリスマス時期になると各地のマルシェ・ド・ノエルに出店していて、毎年ここのブレデルを買うのを楽しみにしています。
フランス語の名前
ブレデルはフランスのアルザス地方の中の地域によって呼び名が異なります。
- Bredle / Bredele
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[ブレデル]ブレデル / フランス語
- Bredla / Bredela
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[ブレデラ]ブレデル / フランス語
- Petits gâteaux de Noël
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[プチ ガトー ド ノエル]クリスマスの小さなお菓子 / フランス語
ブレデルの種類
ブレデルの種類の一部を紹介します。

- Schwowebredla / Gâteaux aux amandes
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アーモンド風味のお菓子
- Spritzbredele
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ギザギザに絞ったクッキー
- Butterbredla / Petits fours au beurre
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バター風味のプチフール、クッキー
- Springerle
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型押しクッキー
- Zimmetsternle / Étoiles à la cannelle
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シナモン風味の星形サブレ
- Anisbredle / Gâteaux au blanc d’oeuf et à l’anis
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緑アニス風味のメレンゲ
- Lapkueche / Petits pains d’épice
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小さなパンデピス




シナモン風味のサブレのレシピ
- 80~100枚分(4cmのクッキー型)
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- 薄力粉 400g
- カソナード糖 180g
- 塩 ひとつまみ
- シナモンパウダー 10g
- 無塩バター 200g
- 卵 50g(Sサイズ1個)
- カソナード(赤砂糖)がなければ、グラニュー糖や白砂糖で代用してください。
- バターは使う直前まで冷蔵庫に入れておいてください。
ボウルに薄力粉とカソナード(砂糖)、シナモン、塩を入れ、軽く混ぜます。
バターを冷蔵庫から出し、2~3cm角に切り、粉類の上にのせます。手の指とひらを使って、バターと粉類をこすり合わせます。粉類とバターの粒が混ざり合い、ポロポロの生地になります。
卵を加えて、ヘラやスケッパーで切るように合わせます。生地をひとかたまりにして、ラップに包み冷蔵庫で30分ほど冷やします。
オーブンを175℃に予熱し始めます。
サブレ生地を3mmの厚さに伸ばして、クッキー型で抜きます。オーブン板に並べ、175℃のオーブンで13~15分焼きます。表面に焼き色がついたら出来上がりです。
あら熱が取れたら、容器に入れて湿気ないように保存しましょう。

- Josiane Syren, La Pâtisserie alsacienne, Paris, Saep, 1982.
- Bredele
- Springerle
- Dictionnaire de la gourmandise: Pâtisseries, friandises et autres douceurs
- Le dictionnaire des chefs Ferrandi Paris