フランスのショコラティエのショーウィンドウをのぞくと、宝石のように並んでいるのが「ボンボンショコラ」。小さなひと粒に閉じ込められているのは、カカオの香り、なめらかなガナッシュ、そして贈る人の想いです。クリスマスや復活祭はもちろん、誕生日や特別な日のお祝いにも欠かせない存在として、フランス人の暮らしに溶け込んでいます。
でも、そもそも「ボンボン」とはどういう意味なのでしょう?なぜ「ボンボンショコラ」と呼ばれるのでしょう?さらに、パピヨットやパレドール、キャレなど、形や仕上げに込められた違いとは?
この記事では、フランスの食文化の中で愛され続けるボンボンショコラについて、呼び方の由来や種類の魅力をひも解いていきます。
ボンボンショコラとは?
ボンボンショコラとはチョコレートの小さなお菓子のことです。いわゆる「一粒チョコ」のことです。フランスでは「ショコラ」と言えば、この「ボンボンショコラ」を指すこともあります。
一般的な重さが1個9~12gです。手作りの場合の消費期限は3週間程度で、15~18℃の冷所で保存します。冷蔵庫に入れずに、直射日光と湿気を避けた場所に保管します。中身がガナッシュの場合は消費期限がもう少し短い場合があります。
中身にはアーモンドやヘーゼルナッツを用いたプラリネ、ガナッシュ、マジパン、ナッツとチョコレートを合わせたジャンドゥジャなどを詰めます。中身の外側はクーヴェルチュールチョコレートで覆われています。
フランスの法律でチョコレート菓子は25%以上のチョコレートを含まなければならないとされています。
ボンボンショコラの外側のチョコレートの重さは商品によって異なりますが、ボンボンの総重量の30%が理想的とされています。
店やラッピングにもよりますが、ボンボンショコラは100gあたり10-20€ほどで、平均は15€ほどです。昨今の物価上昇もあり、以前よりも2-3€高騰しています。
ボンボンショコラは1年中親しまれていますが、特にクリスマス期間に多く買われています。その中でもトリュフチョコレートは冬の定番です。
一方で、温かい期間にはあまり売れないお菓子でもあります。4月の復活祭が終わってから、9月の涼しい時期になるまでは比較的落ち着いています。

ボンボンとは?
「ボンボン」とは小さな砂糖菓子のことです。
« bonbon » という言葉が初めて出てきたのは1604年のことです。王太子に仕えていた医師ジャン・エロアールの日記に、当時3歳だった幼いルイ13世は砂糖菓子を味わった後、「ボン、ボン « bon, bon »」と言って喜びを表現したと記されていました。
« bon » はフランス語で「おいしい」という意味です。
フランス語の名前
- Bonbon de chocolat
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[ボンボン ド ショコラ]ボンボンショコラ / フランス語
« bon » は「おいしい」という意味です - Chocolat
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[ショコラ]チョコレート / フランス語
チョコレート全般を意味する語ですが、ボンボンショコラのことを指すことができます- 以前働いていたショコラティエでも「ショコラ」と呼ばれることが多かったです。
- Bonbon au chocolat
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[ボンボン オ ショコラ]チョコレート菓子 / フランス語
« au » を使う場合は、チョコがけのお菓子、チョコレート味のキャンディ、小さなチョコレートのお菓子などのことを指します

ボンボンショコラの種類
ボンボンショコラは形や大きさ、具材によって具体的な呼び方があります。
- Barre
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[バール]棒状のチョコレート菓子
- Bouchée
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[ブーシェ]大きめのボンボンショコラ
- Carré
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[キャレ]正方形のチョコレート菓子
- Citronette
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[シトロネット]レモンの皮のコンフィにチョコレートをかけたもの
- Gingembrette
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[ジャンジャンブレット]生姜のコンフィにチョコレートをかけたもの
- Mendiant
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[マンディアン]レーズン、イチジク、アーモンドやヘーゼルナッツがのった絵円形のチョコレート
- Orangette
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[オランジェット]オレンジの皮のコンフィにチョコレートをかけたもの
- Palet
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[パレ]円盤形のチョコレート菓子
- Palet d’or
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[パレ ドール]円盤形で金粉をのせ、ガナッシュを詰めたチョコレート菓子
- Papillote
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[パピヨット]クリスマスに出まわる両端がヒラヒラした金色の包装紙に包まれているチョコレート菓子
- Pavé
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[パヴェ]立方体のチョコレート菓子
- Rocher
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[ロシェ]ナッツやコンフレークにチョコレートをコーティングしたもの
- Truffe
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[トリュフ]チョコレートトリュフ

