クグロフはレーズンの入った王冠の形をしたお菓子です。王冠の頂上にはアーモンドを飾り、表面には粉糖を振りかけます。

フランスではアルザス、ロレーヌ、フランドル地方で作られており、ドイツやポーランドなどの東ヨーロッパでも名前は異なりますが、同じお菓子が作られています。

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名前

kouglof / Kougelhopf

[kuɡlɔf] クグロフ / フランス語

Napfkuchen

[nap͡fˌkuːx] ナップクーヘン / ドイツ語
kuchenは「菓子」という意味

構成

分類パティスリー/ガトー
構成発酵パン生地/クグロフ生地
材料小麦粉



バター

砂糖

酵母

ドライレーズン

アーモンド

誕生した時代・場所・人物

時代中世時代末期
オーストリア/ポーランド
地方
人物

歴史・由来

クグロフは古くからオーストリアやポーランドで古くからあったお菓子でした。

中世末期からドイツ周辺のルクセンブルク、スイス、オーストリア、ポーランドなどの国、フランスではアルザス、ロレーヌ、フランドル地方でつくられていました。クグロフは結婚式や洗礼式といったハレの日に食べられていました。

18世紀のルイ15世の時代、ポーランド出身のロレーヌ公国のスタニスラス王もクグロフと食べていました。

オーストリアのハスプブルグ家出身のマリー・アントワネットも大好きで、小さい頃から親しんでいました。彼女とルイ16世の婚姻により、フランス宮廷にクグロフが広まりました。彼女の有名なセリフ「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」というのがありますが、この「お菓子」はクグロフを指していると言われています。

その後、アントナン・カレームによりさらに普及していきました。彼はクグロフのレシピを駐仏オーストリア大使シュヴァルツェンベルク大公の料理長であるウジェーヌから教えてもらいました。

現在と同じクグロフの記録が残っているのは19世紀半ばごろです。

1840年のピエール・ラカンの『菓子製造業の覚書』には、「パリのコック通りにあるパティスリーのジョルジュという菓子職人がストラスブールからのレシピをもとにクグロフを製造している」と書かれてあります。パリでも流行し、毎日100個も売れていたそうです。

そのレシピは「たっぷりのバターとマラガ産のレーズンを加え、鐘形の陶器の型を使う。型の内側にはバターを塗り、アーモンドスライスを貼り付け、焼き上がったら粉糖を振りかける」とされています。この作りかたは今のものとまったく同じです。

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