今回は、プラリネ風味のムースリーヌクリームの作りかたを紹介します。フランス菓子の定番のムースリーヌクリームにプラリネの風味をつけたクリームです。
プラリネ風味のムースリーヌクリームはクレーム・ムスリーヌ・オ・プラリネ(Crème mousseline au praliné) といいます。トロペジェンヌやパリ・ブレストなどのアントルメの土台として用いることの多いです。
ムースリーヌクリームはクレームパティシエールにバターを加えたもので、それにプラリネペーストを加えて作ります。
材料
クレーム・ムスリーヌはクレーム・パティシエールにバターを加えたものですので、まずクレーム・パティシエールを作ります。
- 牛乳 500g
- バニラ棒 1本
- 卵黄 80g
- 砂糖 130g
- 小麦粉 30g
- コーンスターチ 30g
- バター 250g(クレームパティシエール用)
- バター 250g
- プラリネペースト 125g
- バニラ棒はなければ省略してください。
- 卵黄はMサイズの卵4個分です。
- 片栗粉がなければ、小麦粉を60g使用してください。
- クラシックなクレーム・ムスリーヌはクレーム・パティシエールの1/2量のバターを用います。最近ではバターが多いと重くなるため、1/3量と軽くしているのが主流のようです。今回のバター量も1/3にしています。
- バターは30〜60分前には冷蔵庫から出し、常温に置いておきます。
- プラリネペーストはアーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ類の割合や砂糖の割合はメーカーによって異なり、色味も違います。薄い茶色のプラリネペーストだと、クリームも淡いベージュ色になります。
道具
- 小鍋(この量だと15〜20cmが最適です)
- 泡立て器
- ボウル
- ラップ
- 皿
- 保冷剤(あれば)
- 卓上ミキサー(平面ビーター) or ハンドミキサー or 泡立て器
- ゴムベラ
- クレーム・パティシエールの作りかた
準備
生の卵黄にはサルモネラ菌が含まれています。クレーム・パティシエールは卵黄を沸騰煮沸せずに作るため、菌が繁殖しやすい状態にあります。作るときや保存に注意を要するクリームです。
- 道具をきれいに洗っておきます。
- 皿にラップを敷いておきます。
作りかた
まずは、クレーム・パティシエールから作っていきます。このクリームは冷やした状態でつかうため、実際にクリームが必要な時間の1〜2時間前には準備しましょう。できたてのクレーム・パティシエールは非常に熱いです。
牛乳とサヤから削げとったバニラ粒を小鍋に入れ、中火にかけます。

鍋を温めている間に、ボウルに卵黄を砂糖を入れ、泡立て器ですり混ぜます。

白っぽくなるまで混ぜます。

ボウルに小麦粉・片栗粉を加え、あらためて混ぜ合わせておきます。

牛乳がぷくぷくと沸騰してきたら、すぐに火から外します。沸騰がはじまったら1分以内に火から外してください。
卵液の入ったボウル(上記)に1/3量を加えて混ぜ合わせます。

この混ぜた生地を残った牛乳の入っている鍋に戻します。
鍋を中火にかけ、泡立て器でかき混ぜながら、生地に火を通していきます。常に泡立て器でかき混ぜます。最初はゆるい生地ですが、しだいに粘りが出てきて混ぜにくくなっていきます。

生地が沸騰する「ぶくっ」としてから1分間混ぜ続けます。ここで卵を低温殺菌させます。ただ完全に卵に火が通るわけではないため、取り扱いを注意しないといけないクリームなのです。
さらに広げたラップの上にクリームを入れ、ラップの中には空気が入らないように密封します。空気が入らないようにするのはクリームが酸化するのを防ぐためです。

すぐに冷蔵庫にいれます。できれば、保冷剤を密着させ、急速に冷やします。冷えたら、クリーム・パティシエールのできあがりです。
次に、バターを加え、ムースリーヌクリームを作ります。
バターをボウルに入れ、平面ビーターをつけて混ぜ合わせます。ハンドミキサーの場合はミキサーで混ぜます。手動の場合は泡立て器で混ぜます。バターの粒が完全になくなるまでバターをなめらかにします。

クレーム・パティシエールはつかう直前まで冷たい場所に置いておきます。クレーム・パティシエールは室温28℃までしか温度を上げないようにしましょう。細菌の繁殖しやすいクリームですので取り扱いに注意しましょう。
クレーム・パティシエールを少しずつ加え、バターと合わせていきます。少しずつ加えないと、バターが一気に冷やされ固まってしまいます。

ボウルの縁にクリームが飛んでいたら、都度ゴムベラをつかってクリームと合わせます。

クレーム・パティシエールをすべて加え、バターとしっかり混ざり、ふわっとしたら完成です。
続いて、プラリネを加えます。
クレーム・ムスリーヌができたら、そのままのボウルにプラリネペーストを加えます。どちらも油を含んでいるため、合わさりやすいです。

クリームがなめらかになったらできあがりです。
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