タルトタタンは砂糖とバターで煮たりんごに生地をかぶせて焼き、ひっくり返したタルトのことです。

一般的にタルトは生地を敷いて、中に果物やクリームなどを詰めて焼きますが、タルトタタンはりんごの上に生地をかぶせて焼くのが特徴です。 砂糖とバターを加えたりんごを下にして焼くことでキャラメリゼされます。

カフェやレストランでは、ホイップクリームやバニラアイスクリームを添えて、あたたかいタルトとして提供されます。

目次

名前

Tarte TATIN

[taʁt tatɛ̃] タルト タタン / フランス語

Tarte renversée

[taʁt ʁɑ̃vɛʁse] タルト ランヴェルセ / フランス語
ひっくり返すとため「逆さまのタルト」とも言われる

構成

分類パティスリー/タルト
構成ブリぜ生地/折込パイ生地

りんご
材料小麦粉



バター

砂糖
りんご

バニラ

歴史・由来

タルトタタンは19世紀に誕生しました。

ロワール・エ・シェル県のラモット・ボヴロンという町にある家族経営のホテル『タタン』で作られていました。現在もそのホテルは営業しています。

そのホテルのレストランでふたりの姉妹が働いていました。1838年生まれのお姉さんステファニーと、1847年生まれの妹キャロリンです。ふたりともたいへんな働き者で、料理もとても上手だったそうです。

ある日、料理を担当していた姉のステファニーはいつものようにりんごのタルトを準備していました。その日はとても急がしく、彼女は型に生地を敷かずにりんごだけを窯で焼いてしまいました。作る手順を間違えたことに気づき、あわてて生地をりんごの上にかぶせました。

窯から出してみると、砂糖とバターのソースがりんごにしっかり染み込んでキャラメルの香ばしい香りのするお菓子になっていました。お客さんに提供すると、美味しいと評判を呼びました。

それ以降、このホテルではりんごをひっくり返したタルトが作られるようになりました。

そのお菓子はタタン姉妹の名前をとって、「タルトタタン」という名前になりました。

という、タタン姉妹の失敗説がとても有名ですが、実は別の話もあります。

19世紀後半、「美食王子」と呼ばれている美食ジャーナリスト、キュルノンスキーが活躍していました。彼はフランスの美食ガイドを作るために、フランス各地のレストランをめぐっていました。

ある日、評判を聞いていたタタン姉妹のホテルを訪れました。ホテルの名物料理だった逆さまのりんごタルトを食べた彼は、そのおいしさに感動しました。

彼はそのりんごタルトを紹介したいと考えました。しかし、りんごのタルトはこの当時では素朴な家庭のお菓子で、りんごと生地が逆さまというだけではあまりインパクトがない。なにか物語がほしいと考えました。パリの高級レストランであるマキシムで食事中、おっちょこちょいの女性がうっかりしていたために偶然おいしいタルトができたという話を思いつきました

料理上手のシェフが考案したりんごタルトというよりもずっとおもしろい話になると思ったからです。

ということで、彼の考えた話とともにタルトタタンはフランス全土に広まっていきました。

これは作家であるマグロンヌ・トゥサン・サマによる説です。

季節・イベント

タルトタタンは季節に関係なく年中出回っていますが、りんごの旬である秋に多く作られます。

関連するお菓子

参考にした本

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次