ケイクはイギリス由来のレーズンや果物の砂糖漬けを加えて、長方形の型で焼いたお菓子のことです。表面にアーモンドスライスを飾ることもあります。
キャトルカールと同じベースで、レーズンや果物の砂糖漬けが入っているのが特徴です。
イギリスではかつてプラムケーキ(Plum cake)と呼んでいました。イギリスやアメリカではケイク(Cake)とはすべてのタイプ・形のお菓子全般のことを意味します。
名前
- Cake
-
[kɛk] ケイク / フランス語
- Cake aux fruits
-
[kɛkofʁɥi] ケイク オ フリュイ / フランス語
「フルーツ入りケイク」という意味で、ドライフルーツの入ったケイク - Cake aux fruits confits
-
[kɛkofʁɥikɔ̃fi] ケイク オ フリュイ コンフィ / フランス語
「フルーツの砂糖漬け入りのケイク」という意味
種類・構成
分類 | パティスリー/ガトー/プチガトー |
構成 | ケイク生地 ドライフルーツ |
材料 | 小麦粉 全卵 バター 砂糖 ドライフルーツ/レーズン |
誕生した時代・場所・人物
時代 | 17世紀 |
国 | イギリス |
地方 | 南西・西イギリス |
町 | – |
人物 | 不明 |
歴史・由来
ケイクに似たような食べ物は古代エジプト時代にはすでに作られていました。同様に、古代ギリシアやローマでも食べられていました。大麦、バター、卵、蜂蜜、ぶどうを合わせて、火を通して作っていました。
現在と同じケイクが生まれたのは17世紀のイギリスと言われています。小麦の耕作地である南西・西イギリスでは収穫した粉でパンを作っていました。その生地に果物やスパイスで味を加えた甘味のあるパンも作り、ブレッドケーキ(Bread cake)と呼んでいました。その後、18世紀までサフラン入りケイクが流行していましたが、19世紀にその流行は終わりを迎えました。
フランスに伝わったケイク
作家のアンヌ・ピエール・ロベールによるとフランスでケイクが初めて言及されたのは1795年のことで、19世紀には長方形のお菓子という認識で広まっていきました。
小麦粉、卵、バター、砂糖をベースとして、ギリシアのコリントス産のレーズンと果物のコンフィを合わせたお菓子のことで、レーズンを加えていたため、プラムケイク(Plum cake)と呼ばれていました。
この当時は酵母を使っていましたが、1850年代から始まったベーキングパウダーの開発化により現在と同様のケイクが作られるようになります。
1870年頃、パリでケイクの流行が生まれました。マドレーヌ寺院のある地区にいくつかのパティスリーがあり、中でもミシェル(Michel)、ゲール(Guerre)、マリオン(Marion)の3店が有名でした。
ミシェルは1830年にロンドンから来てリュクサンブール通り(現在のカンボン通り)に店を構え、ベーキングパウダーを用いたケイクで評判を得ていました。マリオンはマドレーヌ寺院の正面の通りのロワイヤル通りに開店し、プラムケイクを流行らせました。
1900年に出版された本『パティスリーの地理と歴史の回想録(Mémorial historique et géographique de la pâtisserie)』にプラムケイクのレシピが載っており、酵母入りの生地にバター、砂糖、卵、牛乳、レーズン、シトロン(cédrat)の砂糖漬けを加えて、シャルロット型で焼いたと記されていました。
パティシエであるジュール・グフェ氏(Joules Gouffé)は小さく切ったオレンジとレモンコンフィを加えていました。
20世紀の初めには一般家庭で作られるようになりました。1970年代に入るとプラムケイクはケイク・オ・フリュイ・コンフィ(Cake aux fruits confits)と呼ばれるようになりました。
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