サン=ミッシェルのマドレーヌ / St Michel

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フランスのお菓子メーカーであるサン=ミシェル(St Michel)のマドレーヌを紹介します。サン=ミシェルでは名産地でレシピは秘密にされているコメルシーのマドレーヌを販売しています。

18世紀に誕生したコメルシーのマドレーヌの味を現在でも手軽に味わうことができます。

この記事では、コメルシーのマドレーヌが誕生した物語やレシピ、製造会社を説明するとともに、サン=ミシェルで製造しているマドレーヌの商品を紹介します。

目次

コメルシーのマドレーヌとは?

マドレーヌはフランス東部にあるコメルシーという町で考案されたと言われています。その後、製造業者ができ生産量も増えて、パリを中心に大きく広まっていきました。

コメルシーで生まれたマドレーヌ

マドレーヌが誕生した由来はさまざま説が残っていますが、コメルシーで生まれたというのが有力です。

1755年、ロレーヌ公国スタニスラス王の宮殿で、食事中にパティシエが喧嘩して怒って出ていってしまいました。グルメな王にとってデザートのない食事なんて考えられない!と給仕長は対策を講じました。

給仕長は食事のデザートに、形がオリジナルで、しっかりと焼き目がついていて、ふんわりと柔らかいお菓子を提供することができました。

その美味しさに喜んだ王は、作り手を呼びました。このお菓子を作ったのは若い女中で、手はまだ小麦粉で真っ白いままでした。

王様

このお菓子の名前は何て言う?

女中

名前はありません。コメルシーの自宅でお祭りの時に作っているんです

王様

君の名前は?

女中

マドレーヌです

王様

よし、このお菓子の名前はあなたと同じコメルシーのマドレーヌとしよう

というのがマドレーヌ誕生の物語と言われています。

実際にはこんな会話があったかどうか、誰が作ったのかはわかっていませんが、コメルシーのスタニスラス王の城で作られたというのはどうやら本当のようです。

それ以来、コメルシーではマドレーヌが特産品となりました。

マドレーヌの歴史はこちらの記事で詳しく書いています。

コメルシーのマドレーヌのレシピ

コメルシーのマドレーヌは広く広まりましたが、レシピは秘密にされています。小麦粉、砂糖、バター、たまごというのは明らかにされていますが、材料の配合や混ぜかたなどは公開されていません。

フランスの製菓辞典1によると、泡立てた卵白に他の材料を合わせて作るのが特徴とされています。生地がふっくらとなり、軽い食感となります。

また、19世紀のコメルシーのマドレーヌは1個の重さは80~100gで、長さ12cmで幅8cm、中央の高さは4cmだったそうです。現在のマドレーヌと比べると、かなり大きく、ずっしりとしています。

戦前には30gで、現在では25gとなり、徐々に軽量化されています2。(https://tourisme-cc-cvv.fr/incontournables-du-territoire/la-madeleine-de-commercy/)

マドレーヌの製造会社

現在ではコメルシーのマドレーヌはア・ラ・クロッシュ・ロレーヌ(À la Cloche Lorraine)が製造販売しています。同社は1928年、フェルナン・グロジャン氏(Fernand GROJEAN)によって設立されました。

親会社はサン=ミシェル(Saint-Michel)であるため、「コメルシーのマドレーヌ」は全国のスーパーでも販売されています。

ア・ラ・クロッシュ・ロレーヌ – À la Cloche Lorraine –

コメルシーにマドレーヌを販売している店舗があります。

フランスのニュース番組TF1内でのコメルシーのマドレーヌ特集です。

サン=ミシェルのマドレーヌ商品

フランスでは、工場で作られる市販のマドレーヌの材料には規則があります。

商品名に「マドレーヌ」と表記するためには、小麦粉と油脂(バターや油)、糖類(砂糖や蜂蜜)、卵をつかい、油脂は12%、卵は14%以上含まれていなければなりません。

コメルシーのマドレーヌ – Madeleine de Commercy –

サン=ミシェルが販売しているコメルシーのレシピで作ったマドレーヌです。

パッケージに書かれている « PUR BEURRE » は脂肪分はバターのみを使っているという意味で、« OEUFS DE PLEIN AIR » は放し飼いにして育てた鶏から生まれた卵のことです。お菓子のパッケージなどによく使われる表現で、安心な材料を使っていることを示しています。

このコメルシーのマドレーヌは卵の風味が強くてふわふわした食感がします。

コメルシーのマドレーヌ - Madeleine de Commercy -
パッケージ
コメルシーのマドレーヌ - Madeleine de Commercy -
個包装
原材料小麦粉 30%
砂糖 
卵 21 %
バター 20%
グルコースシロップ
安定剤
膨張剤
自然香料(レモン)
内容量300 g(12個入り)
25 g / 個
カロリー109 kcal / 個(25g)
453 kcal / 100 g
参考価格4,19 €(カルフール)

コメルシーのマドレーヌ チョコ味 – Madeleines de Commercy au chocolat –

上記のコメルシーのマドレーヌのチョコレート味もあります。チョコレート味といっても、ココア味の生地とプレーン味の二層になっています。

コメルシーのマドレーヌ チョコレート味 - Madeleine de Commercy -
パッケージ
コメルシーのマドレーヌ チョコレート味 - Madeleine de Commercy -
ココア味の生地
原材料小麦粉 23%
砂糖 
卵 20 %
バター 19%
グルコースシロップ
チョコレート
安定剤
カカオパウダー
膨張剤

香料
内容量300 g(12個入り)
25 g / 個
カロリー114kcal / 個(25g)
456 kcal / 100 g
参考価格3,95 €(サン=ミシェル)

やわらかサン=ミシェルのマドレーヌ – St Michel Madeleines Moelleuses –

コメルシーのマドレーヌではないですが、サン=ミシェルのマドレーヌも販売されていて、マドレーヌ商品の主力となっています。

こちらのマドレーヌにはバターは使われておらず、植物性油を使っているため軽い食感となっています。

サン=ミシェルのマドレーヌ
パッケージ
サン=ミシェルのマドレーヌ
マドレーヌ
原材料小麦粉 29%
菜種油
砂糖
卵 18%
安定剤
乳化剤
膨張剤

デンプン
香料
内容量250 g(10個入り)
25 g / 個 
長さ 8 cm x 幅 5 cm x 高さ 3,5 cm
カロリー116 kcal / 個(25g) 
464 kcal / 100g
参考価格1,99 €(モノプリ)

参考にした本・サイト

  1. Annie Perrier-Robert, Dictionnaire de la gourmandise: Pâtisseries, friandises et autres douceurs, Bouquins, 2012. ↩︎
  2. « La madeleine de Commercy », Office de Tourisme Commercy Void Vaucouleurs, Disponible sur : https://tourisme-cc-cvv.fr/incontournables-du-territoire/la-madeleine-de-commercy/. Consulté le 12 septembre 2025. ↩︎
もりりん
パティシエ
フランスのパティスリーで働いでいます。フランスの大学の歴史学科で勉強してます。よろしくね
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