今回は、フランスの基本の生地のひとつであるパートブリゼのレシピを紹介します。パートブリゼはどんな生地で、どんなお菓子や料理に使うのかをふまえた上で、必要な材料や道具、適切な型、作り方の手順を解説します。次に、パートブリゼをタルト型に敷き方、空焼きの方法、よくある失敗やその解決法、生地の保存方法を説明します。
この記事で、パートブリゼが失敗せずに作れるようになるはずです。
パートブリゼとは?
パートブリゼはキッシュやタルトなどの土台に用いる生地です。基本的には甘味は加えないか、加えるとしても小麦粉に対して少なめなです。
軽くもろい生地で、焼成するとなめらかでサクサクとした食感となります。この食感は、小麦粉とバターを先に混ぜ、バターのまわりに小麦粉の粒子がくっついた状態で、そこに水分を加えることにより小麦粉が水分を吸収してまとまります。
フランスでは、パティスリーはもちろん、家庭でも頻繁につかう生地のひとつです。
フランス語の名前
パートブリゼは「パータフォンセ」ともいいます。
- Pâte brisée
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[パット ブリゼ]パートブリゼ、ブリゼ生地 / フランス語
« brisée » は「砕く」という動詞 « briser » の形容詞の女性形です
焼成後の生地がもろく砕けやすいことからこの名前がつけられました - Pâte à foncer
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[パッタ フォンセ]パータフォンセ / フランス語
« foncer » は「(型に生地を)敷く」という動詞です
タルトなどの型に敷くための生地という意味
ちなみに、パータフォンセは暖炉で調理する野菜や大きな肉を火から守るための器や目印として使われており、食用ではありませんでした。
どの料理・お菓子に使う?
パートブリゼは甘味と塩味のどちらのタルトに用いることができます。
パートブリゼは甘さ控えめなため、キッシュなどの塩味のタルト、トマトなどのシンプルな野菜のタルトなどに用います。また、崩れにくく、より薄く伸ばすことができるため、フランやチョコレートタルトなどの甘いタルトにも用います。
一般的に、水分の多いアパレイユ(液体)を詰めるときに用いるのにぴったりです。
- キッシュロレーヌ
- タルトオショコラ
- フラン
- フラミッシュ
パートブリゼのレシピ
調理時間:15分
材料
- 薄力粉 200g
- 砂糖 5g
- 塩 3g
- バター 100g
- 水 75g
- バターは小さく切り、使う直前まで冷蔵庫に入れておきます。
必要な道具
- スケッパー
- 作業台
- ラップ
パートブリゼの作りかた
粉類とバターを先に合わせて、次に液体を加えて作ります。
作成したパートブリゼは2時間以上冷蔵するため、使用する前日に作るのがベターです。
作業台に薄力粉、砂糖と塩を山のようにのせ、拳で真ん中に穴をあけます。バターを小さく切り、穴の中に加えます。

粉類とバターを指や手でこするようにして混ぜ合わせます。体温でバターが溶けないようにすばやく行います。バターと粉が合わさり、ポロポロした生地ができたらやめます。

粉類とバターを合わせたものを山にして、真ん中に穴をあけます。穴の周囲を小麦粉で土手になるように形づくります。
その穴の中に水を流し入れ、スケッパーを使って切るようにして水と混ぜ合わせます。

土手が決壊すると水が流れ出てしまいますので気をつけましょう。生地をひとまとまりにします。
手のひらをつかって生地を台に数回(2〜3回)滑らせます。
これをおこなうと、生地が均一になります。ただ、やり過ぎてしまうと弾力がですぎて、生地が縮まってしまいます。

生地をラップに包み、冷蔵庫で2時間以上冷やします。できあがりです。
生地の敷き込み
パートブリゼが準備できたら、次にタルト型に敷いていきます。
準備するもの
- パートブリゼ
- バター 5~10g
- めん棒
- タルト型
- 作業台
- フォーク/ピケローラー
- ナイフ/ペティナイフ
- オーブンシート
- パートブリゼは使う直前まで冷蔵庫に置いておきます。
今回はセルクル(リング状のタルト型)を使用しています。このタルト型は底がないため生地が取り外しやすく、フランスではプロの現場で用いられています。
一般的なタルト型(底のある型)でも手順は同じです。

パートブリゼを敷く手順
タルト型の側面内側にバターを薄く塗ります。バターの塊が残らないように薄く塗りましょう。

作業台に小麦粉を振り、パートブリゼを置きます。

めん棒で、厚さが3~4mmになるように伸ばします。生地は1/4ずつ回転させていき、伸ばすと同じ厚さになります。

タルト型を生地の上にのせて、型よりも大きいかどうかを確認しましょう。
パートブリゼをめん棒に巻き付けます。

タルト型の上で生地を広げて、かぶせます。

型の内側に立ち上がらせるために生地の縁を持ち上げます。人差し指と中指の甲をつかって、生地を持ち上げます。生地を内側側面にしっかりと押し付けます。

めん棒をタルト型にのせて転がし、生地を切ります。残った生地はラップに包んでおきます。

タルト型の内側に垂れた生地を指を使って、上に立たせます。

ペティナイフ(ナイフ)を用いて、タルト型の上にはみ出た生地を切ります。

親指を生地と肩の側面の間に差し込み、一周させます。生地と型がくっ付きすぎず、取り外しやすくなります。

生地が膨れるのを防ぐため、生地の底にフォークで跡をつけます。

生地を冷蔵庫に入れ、30分ほど冷やします。生地を冷やすことで、側面の生地が倒れなくなります。
パートブリゼの空焼き
パートブリゼは空焼きすることもあります。空焼きとは、生地をタルト生地に敷き、中身を詰めずに生地だけ焼くことです。
オーブンを180℃に予熱し始めます。型に敷いたパートブリゼは直前まで冷蔵庫に入れておきます。
しっかり冷やすことで、側面の生地が倒れにくくなります。
パートブリゼをオーブンに入れ、15分ほど焼きます。オーブンによって焼き時間が異なるため、目安としてください。
リング型の場合は、型を持ち上げて側面に焼き色がついていたら出来上がりです。
オーブンから出し、型をつけたまま粗熱を取ります。
タルト生地の上部のはみ出た生地はピーラーやナイフで削げとります。

よくある失敗と解決法
パートブリゼの保存法
焼成前のパートブリゼは保存することができます。しっかりとラップをして、冷蔵庫で3日保存可能です。
また、冷凍庫では3ヶ月まで保存可能です。使用する場合は、冷蔵庫でゆっくりと解凍します。
焼成後のパートブリゼは、湿気を吸いますので、なるべく早く使用するようにしてください。
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