通信制大学の授業・課題と試験の進めかた

わたしは今、フランスの通信制大学(歴史学科)に登録して、授業を受けています。今回は、通信制大学の仕組みについてわたしの体験談をお話しします。

わたしが登録している大学の場合の話なので、全てのフランスの通信制大学が同じとは限りません。何かの参考になれば幸いです。

目次

授業の進め方

わたしの登録している通信制大学では、各授業の教科書は学生用の専用サイト上にあります。授業によって異なりますが、PDFの場合もありますが、ほとんどがサイトのページに載っています。

A4サイズで100ページほどのテキストが各授業で提供されます。そのテキストを読むことで授業が進みます。

動画やセミナーの授業は学士ではなく、修士以降にあるようです。

テキストを読んで、ノートをまとめていきます。

課題の提出

各授業を終えた後に、課題(devoir)が出されます。

各授業を終えて、フィードバック(授業の感想)を送ったら、課題のテーマが発表されます。そのテーマをもとに課題を作成します。

課題のテーマは選択制で、3つほどの中から自分で好きなテーマを選び、論文を書きます。

学士の場合は、8,000 ~ 12,000 文字、3 ~ 5 枚の論文を書きます。

課題は筆記(論文)のみで、口頭試験はありません。

課題の提出期限はなく、自分のリズムで書き進めることができます。

課題はオンライン上で送ります。

採点は最大2ヶ月で返却されます。今のところ、3週間〜1ヶ月で返却されました。

テストの受け方

授業によっては、課題のほかにテストも課されます。(すべての授業ではない)

テストは10問の選択問題で、制限時間は10分です。選択制のテストのことをクイズ(quiz)と言います。

テストは2割、論文は8割で計算され、合計の点数がその授業の評価となります。20点中10点以上が合格となります。テストが終わり次第すぐに結果が出るので、結構ドキドキします。

100ページのテキストから出題されるので、結構覚える範囲は広いといえます。

課題のテーマと重ならないように出題されるので、若干内容が偏っている気もします。例えば、課題のテーマに19世紀の「自由主義」「都市生活」が出されているとしたら、そのテーマ以外の範囲からテストが出題されます。

また、教科(先生)によってはテキストの中からの出題ではなく、一般的常識から出されることもありました。一方で、難題が出されることもあります。とはいえ、そんなに難しくない問題が出されます。重要なのは論文のほうです。

期末試験

前期・後期の授業を終えると期末試験があります。期末試験は口頭試験となり、オンラインで行われます。

ネット上で試験日時の予約を入れて、当日試験開始の15分ほど前に課題が出されます。試験時間は20分ほどです。

授業の数と期間

通信大学の歴史学科1年目の授業数は、前期(Semestre 1)で12コマ、後期(Semestre 2)で9コマ、合計21コマです。

大学の1年目(Licence 1)は、2年(12ヶ月)まで延長することができます。ただし、2年以降も延長することができるそうです。

2週間〜3週間に1コマずつ進めていけば、1年で1年次が終了する計算となり、1ヶ月に1コマずつ進めていけば、2年で1年次が終了できます。

実際のところは…?

実際に、1年次はどのくらいの期間で終えることができるのか…?

1コマのテキストは100ページあります。このテキストを10日ほどで、ざっと読んで要点をノートにまとめます。テキスト内で不明な用語などがあれば、図書館やネットで調べてメモします。

その直後にテスト(選択問題)を行います。

残りの20日では論文作成に取り組みます。課題のテーマを読み解き、そこから問題提起を考えて、論文のプランを立てます。必要な参考文献を探しに図書館に行きます。そして、論文作成に取り組みます。完成した論文を見直して、提出します。

このサイクルを毎月コンスタントに実施すれば、21ヶ月(24ヶ月中/2年)で終えることができます。

理想はこのような感じです。しかし、実際はこのペースで進めるのは難しいかなと思いました。

100ページのテキストを10日で読んでまとめることはとてもハードです。しかも、わたしの場合はフランス語っていうハンデもあります(涙)。フランス語のハンデを除いたとしても、この種のテキストを理解するのは結構難しいのでは?と思います。テキスト内には知らない用語や歴史の流れが出てきます。それを都度調べていくと、どうしても時間がかかってしまいます。

そして、その後の論文についても、テーマからプランを立てて、それらに必要な文献を探します。そして、論文を書いていきます。それもまた、20日間で仕上げるのはハードです。

ちなみに、勉強時間は1日2〜3時間ほど確保できます。とはいえ、確実に毎日確保できるわけではないです。

今のところ、1コマに1〜2ヶ月ほどかかっています。論文にハマってしまって、3ヶ月ほどかかってしまったこともあります。一方、英語や方法論(Méthodologie générale)のような一般教科はサクッと終わらせることもできる教科もあります。

わたしの場合、1学年に2年以上はかかりそうです…。

ちなみに、入学前の大学の案内では、1日1時間30分ほどテキストを読んで勉強すれば、大丈夫です!って書いてあります。教科数にも言及していないし、なんとなく1年ちょいで1年次が終わりそうな雰囲気で書かれてあります。(ウソツキ)

学士をパスできるのに結構時間がかかりそうです。

フランスの通信制大学で勉強したい方は、終了する予定期間をなるべく長めに想定することをおすすめします。

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