マカロン・ド・コルムリーはコルムリーという町にあるサン・ポール修道院で誕生したマカロンで、ドーナツの形になっているのが特徴です。真ん中にある中央の穴は「修道士のヘソ」と言われています。

コルムリーはフランス中部に位置する現在のサントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire)アンドル=エ=ロワール県(Indre-et-Loire)に位置します。

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名前

Macaron de Cormery

[makaʁɔ̃ də kɔʁməʁi] マカロン ド コルムリー / フランス語
「コルムリーのマカロン」という意味

種類・構成

分類パティスリー/プチフール/マカロン
構成マカロン生地
材料アーモンド

砂糖

卵白

誕生した時代・場所・人物

時代971年(10世紀)
フランス
地方サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏アンドル=エ=ロワール県
コルムリー (Cormery)
人物修道士

歴史・由来

971年、コルムリーのサン・ポール修道院で小さなビスキュイが作られました。そのビスキュイは保存が効くため、ヨーロッパ中に広まり始めました。

まずはイタリアに広まり、マッケローネ(maccherone)と呼ばれるようになり、フランスではマカロンと名付けられました。

ちなみに、マカロンがイタリアから来たという説もあります。

このマカロンは長年このサン・ポール修道院だけで製造するのが認められていました。1990年にコルムリーのマカロンの団体が設立されました。

この修道院のマカロンはドーナツ状になっているのが特徴で、真ん中の穴は「修道士のヘソ」と呼ばれています。なぜドーナツの形になったのかについては3つの伝説が残っています。

1) 穴の空いた僧衣

ひとつ目は穴のあいた修道士の衣服にヒントを得たという説です。

サン・ポール修道院のジャン修道士が最初の小さなビスキュイを考案しました。これがのちにマカロンとなります。

ある日、ジャン修道士が仕事中に釜から飛んできた火の粉で僧服を焼いてしまい、腹部が露出してしまいました。その時ちょうど、セラフィン神父が鍵穴から台所を覗いていて、穴のあいた僧衣から出たヘソを見てしまいます。

神父は、ビスキュイをヘソの形にすることを閃きました。特徴のあるオリジナルなマカロンになるし、これは絶対に成功する!と確信しました。

これがきっかけでヘソの形のマカロンが誕生しました。実際に、このマカロンは評判を呼び、この修道院の名物となっていきました。

2) 指輪の跡

2つ目は指輪の跡がヒントになったという説です。

サン・ポール修道院の上級修道士が、台所の検査日にマカロンの生地の中に指輪を落としてしまいました。

指輪の跡が王冠の形のように見え、それをヒントに王冠の形(ドーナツ状)のマカロンが作られるようになりました。

3) マリア様のお告げ

3つ目の説は、マリア様のお告げによるものです。

ある時期、サン・ポール修道院の経営状況が悪化していました。

当時のパン・菓子職人であるレイ修道士が困難を乗り切るために聖母マリアに祈りました。

すると、丸パンの中からマリアが現れ、「神を讃えよ。生地をよく捏ねよ、じっくりと生地を見ると修道院を救うサインを見つけるはずだ」と告げました。

レイ修道士は生地を捏ね、休みなく捏ね続け、ズボンが少し下がっていることにも気づきませんでした。ついに疲れ果てて、生地の中に倒れてしまいました。すぐに立ち上がり、自分の弱さを神に許してくれるように懇願しました。再び生地を捏ねようとしたときに、生地にヘソの跡がついているのを見つけました。

そのヘソの跡にインスピレーションを得て、ヘソの形をしたお菓子を作るようになりました。するとこのマカロンは評判を呼び、修道院の運営も軌道に乗っていきました。

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