フランスでパティシエとして働きたいと考えている方にとって、最大の悩みは語学力なのではないでしょうか。実際に英語はパティスリーの現場ではあまり使用されないため、フランス語の習得は不可欠です。
では、どのくらいの語学レベルがあればフランスで働けるのでしょうか。この記事では、フランスでパティシエとして働くために必要な語学力について詳しく紹介します。
DELF B1レベルが必要
フランス語のレベルについては、まず DELFのB1レベル を目指すことをおすすめします。
DELF(Diplôme d’études en langue française)はフランス語力を示すための国際資格で、B1は「日常生活で問題なくコミュニケーションができ、簡単な意見も言える」レベルです。フランスでは、国籍取得に求められる基準でもあり、一般的な仕事をするうえでも十分。レベルはA1から始まり最終的にC2まで続きますが、パティシエとして働く場合はB1で必要十分 です。真面目な日本人だと「せっかくだし上を目指そう」と思いがちですが、実際の現場ではB2以上は求められません。
日本の「仏検」も良い試験ではありますが、フランスで働くことを前提にしているならあまり向きません。フランス国内ではほとんど通じないためです。一方、DELFはフランスで語学力を証明する資格として有効で、パティスリーの現場で名前が通っているわけではなくても、ハローワーク(Pôle emploi)や知人の紹介で仕事を探すときにも役に立ちます。
もちろん、「フランス語を伸ばす」という目的なら、仏検にも十分価値があります。
とはいえ、パティスリーによっては「最低限わかればOK」という場所もあります。ただ、仕事は契約ですし、日常生活でも困らないようにするために、やはりB1は取っておくほうが安心 です。
私自身、フランスで生活するうえでB1レベルは必要だと実感しましたし、実際に最初に就職できたのもB1を取得した後でした。
とはいえ、実際には今はB2は取得しています。パティスリーではB2レベルの会話や書類を扱うことはないですが、資格としては持っておいてもいいと思います。
B1に合格するために必要な勉強
DELF B1には、聞くこと、読むこと、書くこと、話すことの4つの能力が必要とされます。職場では履歴書や動機書の作成、面接の受け答え、レシピの読解、シェフや同僚とのコミュニケーションなど、さまざまな場面でフランス語が必要になるでしょう。
B1レベルは、ある程度の日常会話や文章の理解ができ、自分の意見を伝えることも可能です。幸いにも、B1レベルは非常に難しいものではなく、問題集などを使って独学で合格することも可能です。
では、実際にフランス語の勉強方法をご紹介しましょう。まずは基本的な文法や語彙、発音について、問題集や教材を用いて理解することが重要です。文法や語彙をある程度マスターした上で、DELFの試験対策を行います。過去問題集や模擬試験を解いて、実際の試験形式に慣れることが大切です。
フランス語を聞いたり読んだりするのに慣れていない場合は、まず日本語版のテキストで全体を把握し、次にフランス語のテキストで慣れていくようにしましょう。
こちらの日本語版の単語集で、DELF B1で使われる語彙を把握しましょう。まずは、出てくる言葉が分からないと先に進みません。
単語を把握できたら、次に全体をつかんでいきます。こちらのテキストではDELFで出題される Compréhension de l’oral / Compréhension des écrits / Production écrite / Production orale の全ての練習問題を通して傾向や対策を理解することができます。この手のテキストを一通りやってみるのは、試験に合格するためには必須です。
こちらはDELFでよく出題されるテーマをまとめたテキストです。DELF B1(B2)では出題されるテーマというのは傾向が大体決まっています。日本の感覚や考え方とは少し異なるので、こちらのテキストで把握しておきましょう。Kindleで購入できるので、フランス語版のテキストでも比較的安価で購入できるのもポイントが高いです。

