ペ・ド・ノンヌは、一口大に成形したシュー生地を油で揚げたお菓子のことです。

砂糖で甘みをつけたシュー生地にオレンジの花の水、マラスキーノ(さくらんぼのリキュール)、ラム酒、柑橘系の皮で香りをつけることがあります。生地をくるみ大にスプーンや絞り袋で成形して、熱した油の中に入れて揚げます。砂糖やシナモン粉をふったり、果物のクーリやジャム、クリームを添えていただきます。

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名前

Pet-de-nonne

[pɛ də nɔn] ペ ド ノンヌ / フランス語
「尼さんのおなら」という意味

Soupir de nonne

[supiʁ də nɔn] スピール ド ノンヌ / フランス語
「尼さんのため息」という意味

構成

分類パティスリー/揚げ菓子/デザート
構成シュー生地
材料小麦粉

バター

砂糖



粉砂糖

誕生した時代・場所・人物

時代中世時代
フランス
地方サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏
トゥール
人物修道女

歴史・由来

「ペ・ド・ノンヌ」という言葉が初めて出てきたのは、1747年刊行のトレヴーの辞書 (Dictionnaire de Trévoux) です。そこには「大きく膨らんで、ふっくらとした揚げ菓子の一種」と書かれていました。

ペ・ド・ノンヌは「尼さんのおなら」という意味で、食べ物らしからぬ名前がつけられていますが、中世時代には「スペインの揚げ菓子」「風の吹く揚げ菓子」「尼さんのため息」と呼ばれていました。ちなみに、18世紀には「ふしだらな女の屁」という汚い言葉で呼ばれていたそうです。

トゥールにあるマルムティエ修道院(Abbaye de Marmoutier)でペ・ド・ノンヌが誕生しました。聖マルティヌスの日にアニエスという若い修道女が生地を作っている最中に、うっかりぐつぐつと沸騰してる脂のなかに落としてしまいました。生地を取り出してみると、こんがりと色づいて膨らんだ生地ができていました。これがペ・ド・ノンヌで、修道女が作ったためこのような名前がつけられました。

聖マルティヌスの日(Saint-Martin)は、トゥールの聖マルティヌスを祝うキリスト教の行事のことで、11月11日に祝われます。

季節・イベント

トゥールでは11月11日の聖マルティヌスの日に食べられていました。現在では、季節や行事に関わらず年中食べられています。

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